明日泣く

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DN/HP@DN_HP2025年12月7日かつて読んだarchive昨日のNHKのジャズ・トゥナイトの「新宿ジャズ物語」特集を聞いていたら、この短編集の表題作のことを思い出した。街も時代も、流れるジャズも少し違うんだけど。 わたしがジャズ、特に日本のそれで聴きたいのは、ここで描かれているような情念のようなものな気がしている。 ジュリー・ロンドンの「小唄曲」のタイトルがついた表題作がJAZZだった。「銀座に“ギャラリー8”という店があっ」た、あの時代のJAZZ。 そのジャス・スポットで出会ったピアニスト、彼女の目が離せない激しく奔放な人生の「ある時期」に交わった”私“の人生。「まるで叩きつけるように強い音で」弾くピアノ。JAZZ。恋愛。ドラッグ。「好きなことしたから泣きをみるなんて、それじゃあんまり人生つまらない」「あたしは後悔なんてしない。」と嘯く彼女に感じる同族嫌悪にも近い感覚と同じ根をもつ羨望と希望。もう会えないだろう姿、交わらない人生を思い書かれた、短く小さい話。小説。 あの時代のJAZZを聴いたときと同じように感動していた。「そう思いたかったのかもしれない」けれど。 もう会えないかもしれない人のことを、交わらない人生を思いはじめる。後悔とあきらめを受け入れる。わたしは今日泣いている。アイル・クライ・トゥデイ。JAZZの代わりに鳥の鳴き声が聞こえていた。


