楽天記(新潮文庫)

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篠乃崎碧海@Aomi_rds2026年4月30日読み終わった古井由吉作品は単行本で手に入れるまでなるべく読まないという謎の拘りがあり、それゆえ漸く読んだ。ここには文庫版しか登録できなかったが、状態の良い初版本に出会えたのでお迎え。なんだかんだタイミングを逃しまくり今に至り。 久々に強い引力を感じられたように思う。最近は晩年の作品ばかり読んでいたので、此彼の境が古井自身にも曖昧になりつつある様を味わっていたが、これが書かれた頃はまだ意識的に境を溶け合わせていると感じる。無理なく引き摺り込むから恐ろしい。そしてとても気持ちが良い。 死を間近に写す眼差しと、炎天下の逃げ水を追う眼差しは似ているのかもしれない。
