順列都市(下)

順列都市(下)
順列都市(下)
グレッグ・イーガン
山岸真
早川書房
1999年10月1日
4件の記録
  • ムギ山
    ムギ山
    @mugi-yama
    2025年6月20日
    第三舞台の『朝日のような夕日をつれて』という芝居のラストシーンに次のようなセリフがあって、 ……有限な分子が、有限な組み合わせを、無限な時間のうちに繰り返すなら、何億、何十億年後かに、もう一度あの時と同じ分子配列が、偶然にできあがる。 その時、私は、あの時と同じ状態でそこにある。 …… リーインカーネーション。生まれ変わりを私は信じます。…… 「塵理論」って要するにこういうことなんでないかなーというユルい理解で読んでったのだけど、まあややこしい。ちなみに塵理論では、上記の「朝日」理論に加えて「塵によって再構成された存在が自己認識できる」「<順序>を無視することができて因果律が意味を持たない」という特徴が、第1部「エデンの園配置」で説明されていた(ような気がする)。 この第1部は物語の設定というか建付けの説明とキャラクターの紹介にかなりの部分を費やしていて、正直言ってヒジョーに読みづらい。ていうか退屈である。理論の細部の解説に興味が持てればあるいは面白いのかもしれないけど、上のようなユルい理解で済ませようとしている私のような読者は、残念ながらそうは思えなかった。 しかし第2部「順列都市」に入るといよいよ物語が動き出し、ぐいぐい読ませられる。そして主人公たちがランバート人とコンタクトを図ったあとは「えっ、そっち?」という展開で意表を付かれるというか、この人の中心的な関心ってやっぱこれなのねという印象。(近作は読んでないのでわかんないけど)『宇宙消失』『万物理論』と本作は、このテーマを手を変え品を変え描いているわけである。えー何と申しましょうか、大したもんだなあと思いました(なんだそりゃ)。 訳者あとがきによると「原作では各章題がタイトルのアナグラムになっているので、翻訳でもそれを踏襲した」ということだけど、結果的にまるきり意味不明な言葉になってしまっているので、そこは英語の章題をそのまま掲げるだけでよかったんじゃないかしら。 the Encyclopedia of Science Fiction というサイトのイーガンのページを見ていたら、Quarantine, Permutation City, Distress, Diaspora の4作を Subjective Cosmology シリーズとしてまとめていて、やっぱそうなのねと思ったことであるよ。
  • ねこさん
    ねこさん
    @nekosan
    2025年3月14日
  • unyue
    unyue
    @unyue
    2025年3月8日
  • 或哉
    @arcana
    2025年3月7日
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