ゆき
@yu-ki
p142
「どう考えたって悪戯だろ。真面目に相手をするなんて馬鹿馬鹿しいじゃないか」
〜「おまえは何もわかってないなあ」と哀れむようにいうのだ。
「嫌がらせだろうが悪戯目的だろうが、『ナミヤ雑貨店』に手紙を入れる人間は、ふつうの悩み相談者と根本的には同じだ。心にどっか穴が開いていて、そこから大事なものが流れ出しとるんだ。〜そんなしんどいことをきておいて、何の答えも欲しくないなんてことは絶対にない。〜一生懸命、考えて書く。人の心の声は、決して無視しちゃいかん」
ゆき
@yu-ki
p150
「長年悩みの相談を読んでいるうちにわかったことがある。多くの場合、相談者は答えを決めている。相談するのは、それが正しいってことを確認したいからな。だから相談者の中には、回答を読んでから、もう一度アイディア手紙を寄越す者もいる。たぶん回答内容が、自分が思っていたものと違っているからだろう」
ゆき
@yu-ki
p244
『レット・イット・ビー』は、リハーサルとライブ映像を組み合わせたドキュメンタリー映画ということになっている。〜メンバーは映画を作ること自体に消極的な様子だ。いろいろな事情が複雑に噛み合って、仕方なく撮影を許可したという感じだった。
〜
映像から感じ取れるものはあった。
心が離れている、ということだ。
喧嘩をしているわけではない。演奏を拒否しているわけでもない。どりあえず四人は、目の前の課題をこなそうとしている。だがそこから何も生まれてこないことを全員がわかっている。
『ドンとレッドミーダウン』『アイヴガッタフィーリング』と曲は続く。だが演奏に熱は感じられない。これがビートルズときての最後のライブになるのだが、メンバーの誰一人として感傷的にはなっていないようだった。
〜人と人との繋がりが切れるのは、何か具体的な理由があるからじゃない。〜なぜなら心が離れていなければ、繋がりが切れそうな事態が起きた時、誰かが修復しようとするはずだからだ。それをしないのは、すでに繋がりが切れているからなのだ。
ゆき
@yu-ki
p254
「当分小遣いはなしだからな」
〜またその話か、とげんなりした。たかが一万円で。しかも子供相手に。
〜
その後ろ姿を見つめているうちに、浩介の中で何かの糸がぷつんと音をたてて切れた。
おそらくそれは、父や母と繋がっていたいと願う、最後の思いだ。それが切れた。
