インターネット怪談はアーカイブが日々失われていき、ただ感情だけが残っていく。その抜け殻に呪いを詰め込む手際と、アーカイブの欠片を並べて”何か恐ろしいもの”をほんのり浮かび上がらせるやり方が面白い。 QRから飛んで「読者が加害者に」の構図も面白かったが、QRの飛んだ先がいつかリンク切れになる日が来るだろう。書籍としての賞味期限が短い本だ。だが、インターネット怪談なんてそんなものかもしれない。