しゅがー(仮) "神探偵イエス・キリストの冒険..." 2026年6月8日

神探偵イエス・キリストの冒険 The Adventures of God Detective Jesus Christ
読了。 面白く読めた……けどなんだかなぁ。って感じもする ちょっとはキリスト教を知っているので言い回しやエピソードにくすぐりを感じて楽しかった。 しかしピックアップされた伝承ではなくエピソードまるまるの回想として描かれるとこのイエスに対して「何なんだお前は……!!」という苛つきのようなものも覚えてしまうな。めっちゃ悪く言うと横暴、言葉足らず。主人公が一発で傾倒してほぼ揺らがないのもその世界観にいない者から見るとちょっと怖く見えたりもする。 答え合わせのようにして向かいに立ち続ける今作の敵バラバの存在は面白かった。話にこういうポジションの敵がいるのって面白いよね。ユダといい敵側の知る由もない感情と人間味がちらちらと見えるのも良い。その知る由もなさに哀しくなりもするが。 すべてを知っているらしいイエスがいてどうやってミステリとして話を持っていくのかなと思ったらこうだった。なるほど。ミステリかどうかはややわかんないけど納得感はあり面白かった。 あれだ。よくあるミステリって人間の欲と業があってこそ事件が起こってるだろうから……そして探偵も負けず劣らず正義やエゴを迸らせてたりするだろうから……そのへんもこの神探偵だと味わいが変わってくる理由になるポイントなのかも。 人間らしい部分としてのイエスの大食い大酒飲みは素敵だった。 最後に現在過去未来のすべての人間の罪だとわざわざこちらに被せにきたのはキリスト教的には致し方ないんだけど読者的にはややイラッとした。 最後に「ことば」が「迷」って生まれた「謎」をほどく……と急に日本語的な言葉遊びに触れたのもあんまり好きじゃない。個人的には。この言葉遊びは好きだし聖書フレーズにかけてあるのもわかるけど世界観的に……。 あと最後に神探偵をすべての探偵の始祖みたいにしたのも個人的には好きじゃない!! とまあイラッときちゃったポイントもあるけどそれなり楽しく読みもしました。 エリ・エリ・レマ・サバクタニは恨み節ってわけではないという話は読めてよかった。この作中でも実は十字架にかけられてからも言ったのかな。劇的リフレイン。 一部のキリスト教の人たちはこの作品をどう読むんだろう。 5つの短編集に5人の敵ってシステムはワクワクしちゃうな。 続刊買うか迷い中。
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