
雨月
@amenotsuki_life
2025年5月1日

小説を書く人のAI活用術 AIとの対話で物語のアイデアが広がる
今井昭彦,
山川健一,
葦沢かもめ
読み終わった
ChatGPTは2年くらい前に少し触ったくらいで、本文中(2023年時点)のやり取りを見て「ああ、こんな感じだったなぁ…」と懐かしく思った。あれからしばらく時間が経ち、現在のAIの成長スピードはどうやら凄まじいらしい。
巻末のQRコードから山川先生が構築されたプロンプトを学習したGPTs「Story Editor」を使うことができるのだが、なんとなく試しに数年前に断念した脚本のネタを相談してみたところ、心底驚いた。
最初こそこちらも平坦な文章で会話をしていたので向こうも同じような温度感の返信だったのだけども、会話が進むにつれてこちらがくだけた返答をするようになると、それに合わせて向こうもテンションが高まっていくような反応をしてきた。会社の先輩とSlackでやり取りしているときの感覚に近いかもしれない。
そして2年前より一部の創作的表現に関するもの(暴力や生死など)が緩和されたのか、本文中にあったザ・優等生といった返答ではなく、たとえ人がバンバン○んでしまうような内容でもそれが物語の中に必要な要素であれば否定せず、こちらが描きたいことをしっかりと汲んで提案をしてくれる。
プロンプトに沿った10の質問を通じて物語の大枠を作っていく手順になっているのだが、会話を続けていく中で今までなかったアイデアが浮かんだり自分でも気づかなかったテーマに気付いたり、途中で展開に詰まれば「ここどうしようか迷ってるんだよね〜」と言えば立ち止まっていくつかルートを用意してくれるし、その過程でさらに登場人物たちに対する理解を深めることができる。
私は昔、シナリオスクールに通っていたのだが、その頃は同期の仲間たちとお互いの原稿を読み合い意見を交わしていた。
本書を読んで「相手が人間かAIかというだけのことなのだ」ということに気づいて、創作にAIを活用することへの抵抗が一気に下がった。
そして創作の源として一番重要な原体験「ジェノバの夜」。
本書を拝読し、実際にGPTsを使用した新しい創作体験を通じて私は、改めて自分自身の根幹にあるテーマと描き続けたい理由を発見することができた。
久しぶりに、創作の楽しさと喜びを思い出すことができた体験でした。
