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@hoshi_ho4
2026年9月27日

春の数えかた
日高敏隆
読み終わった
日本における動物行動学のメッカ、金字塔、生物学×エッセイの必読名作本、日高敏隆さんの至宝のエッセイ集、ようやく読みました。
ひとつ、クソジジィが!と思った箇所あり。ファッションについての話は、時代を感じる…人間の(日本の)女性が、なぜあんなに服装にこだわるか…派手な流行りの服を次々と身に纏うことを、鳥や魚の性行動に照らし合わせて「全く同じだ」としたり顔で言い放つ…当時はまだまだ、学問の、しかも高度な領域に、特段女性が少なかったのだろうと思う、男女を対等とは思っていないから出てくるであろう発言に、女をなんだと思っている!オシャレをする女の意識は動物の性本能と同等の「低レベル」とでも言いたいのか!と邪推かもしれないがイライラしながら読んだ。
他は、とても良かった。生物を見る視点の深さは、世界を再考する示唆に溢れている。
特に私の印象に残ったのはセミの話。「あの小さな体から、あれだけ大きな音(鳴き声)がどうやって出ているか」という問い…言われてみれば本当にそうだ。セミの声、爆音だよな。胸を飾るブローチのような大きさ、透け感の美しい造形なのにな、実際は勝手に動きまわる防犯ブザー。夏の夜の帰宅時、我が家の玄関前廊下に居座るセミの恐ろしさは、あの音から測られるセミのパワーにビビってる。ネズミ花火式新品爆音防犯ブザー、あの音は羽の付け根と胴体が高速でドラミングしている音…その激しさは人間の体では想像のつかない動きで怖い…必死すぎますやん?実際早死か。というように、セミという存在をより面白がる新しい視点を得た。また通勤中に聞こえる秋虫の音色は、弦楽器の要領なのだと、なんて小さな美しい楽器かと羽が擦れる様子を想像するようになったし、他にも、考えてみれば面白いなと思う動物の行動に、深いなーと癒されながら読んだ。景色により目を凝らしたり、生き物それぞれに流れる時間や命のルール(生まれてから死ぬまでの仕組み)に思いを馳せる、新たな視点を持つ、豊かな時間をまたひとつ抱けるようになった。
四季の巡りにもよくよく着目する著者の感性や、海外にての記述が、自分の好みでもある良い本だった。