
うーえの🐧
@tosarino
2026年10月8日
小さな会社は戦略が9割
横井康孝
読み終わった
ビジネス書
⭐️⭐️⭐️
■汗水流しても報われない、その本当の理由
「社長である自分が一番働いているのに、なぜ一向に利益が出ないのか」。
そんな深刻な悩みを抱える経営者やリーダーにこそ、本書『小さな会社は戦略が9割』は一筋の光となります。
業績が上向かない原因は、決して現場の努力不足ではありません。
売上を求めるあまり、あれもこれもと手を出してしまう「戦略の欠如」にこそ根本的な問題があると、著者の横井康孝氏は痛烈に指摘します。
■捨てる勇気が「小さな巨人」をつくる
本書の最大の魅力は、机上の空論ではなく、2億円の借金を抱え倒産寸前だった企業を「売上200倍・上場企業」へと導いた、生々しい実践の記録である点です。
著者が取った行動は、世間の常識の真逆をいくものでした。
何でも屋を辞め、飲食店向けユニフォームのネット通販に「一点集中」する。
あえて商品数を10分の1に極限まで絞り込み、画面越しでも迷わず買えるようにする。
さらに、月100万円の黒字を出していた事業すら見切りをつけ、すべての経営資源を既存顧客へのサポートに注ぎ込む——。
大企業が手を出さない小さな市場を見つけ、そこでの圧倒的ナンバーワンを取りにいく「弱者の戦略(ランチェスター戦略)」の真髄が、これでもかと描かれています。
■戦略を血肉に変える「情熱」の力
しかし、どれほど優れた「合理的な戦略」を描いても、それだけでは組織は動きません。
事業を絞り込み、時に新規の注文を断るという決断は、現場から見れば機会損失そのものです。
だからこそ、戦略の根底には「なぜ我々はこの事業をやるのか」という強烈なパーパス(存在意義)が不可欠になります。
著者がいかにして自身の原体験を組織の「血」として循環させ、現場の納得と共感を引き出していったのか。
その泥臭いプロセスは、マネジメントや組織開発に取り組むすべての人にとって、大きな学びとなるはずです。
■不確実な時代を生き抜くためのロードマップ
リソースが限られた小さな会社や新規事業において、「何をするか」以上に「何をしないか」を決めることは恐怖を伴います。
しかし、その「やらない決断」こそが、真の競争力を生み出す源泉なのです。
日々の業務に忙殺され、「努力の方向性」を見失いかけていると感じたとき、本書は必ずあなたの視界をクリアにしてくれます。
勇気を持って不要なものを捨て、本当に大切なものに一点突破する。
次の一手を模索するビジネスパーソンに、強くお勧めしたい一冊です。