
寿郎社
@jurousha
2026年10月9日

アイヌやめるのやーめた!
原田公久枝
出版社より
「アイヌが! 偉そうにコーヒーとか……」
「バカ、お前聞こえるって!」
これは、今年1月2日に著者が帯広市内のコンビニを訪れ、レジでカップを受け取り、コーヒーマシンでコーヒーを淹れているときに聞こえた店員2人の会話です。
著者は、思い出せる限り血縁はみんなアイヌで、子どものころからアイヌの歌も踊りも大好きです。それでも、15歳のある日、お母ちゃんに「もうアイヌやめるわ」と宣言せざるをえない状況に追い込まれてしまいました。その後、40歳ごろになってから、徐々に"アイヌデンティティ"を取り戻していきましたが、傷が癒えたわけではありません。
「実は、この本を書いているときも、何度もペンが止まった。昔こんなことがあった、最近もこんなことがあった……と思い出しては、怒りなのか悔しさなのか悲しさなのか、それともそのすべてなのか、感情が爆発して書けなくなる。でも、それでも私が書かなければ、私がどう思って生きてきたか、どんな目に遭ってきたか残らないのだ。絶対に残してやる!とまたペンを握る」(本文より)
装幀も編集者が担当しました。著者に自画像(トリプルアクセルをきめているところ)を描いてもらい、本文とは裏腹に、カバーはあえてポップなテイストにしています。豪胆でユーモアのある著者の人生に、とんでもない差別を受けてきた苦しみが詰まっていることをデザインでも表現したかったので…。また、見返しにはミラー紙を使い、読者の顔が映るようにしました。もちろん読者だけでなく、北海道・札幌を拠点とする私たち出版社にも向き合うべきことがあり、それをこの本が示してくれていると思っています。





