色々なものにチャレンジして、合わないと思ったらその都度やめられる。そうして様々な人やものと関わる中で自分と社会との関わり方を探り、そうして他者に寛容な社会ができる。完璧さを求めず、自力で判断して勝手に行動する。 そんなマレーシアの生き方を日本社会と対比しながら紹介している。日本社会の生きづらさについても触れてているが、その理由は様々な経験から見知らぬ他者と折り合いをつけ、尊重するという経験が足りないからではないかと思う。実際に筆者もマレーシアで暮らす中で、人間が周囲の環境の影響を強く受けることを体感している。現在の日本では幼少期から単一の価値観の中で育つことが多く、所謂見知らぬ他者と交流する機会が少なくなってしまう。今の日本とは別の世界を知るためにも、一度国外を経験してみたいと感じる一冊だった。