慎也
@Suica0501
2025年4月29日

MONKEY vol. 34 特集 岸本佐知子+柴田元幸 短篇競訳2
ブレイディみかこ,
古川日出男,
坂口恭平,
岸本佐知子,
川上弘美,
柴田元幸
読み終わった


慎也
@Suica0501
柴田元幸さんと岸本佐知子さんに、『ここにもっといいものがある』なんて言われたら、読んでみたくなるでしょう。
MONKEYが図書館で借りられるとは、まったくもってありがたい。
移民二世である娘が母親を描くとなると、ちょっと定型化したイメージを勝手にもってしまうのだが、タマヴォンサの『ランディ・トラヴィス』はおもしろかった。新しいという訳ではないが、けっこう辛い人生を書きながらも、ユーモラスな感じがいい。お父さんの一途さに、味がある。
エリック・マコーマックとステイシー・オーモニエのそれぞれも、重いテーマを脱臼させてゆく軽さが、ストーリーテリングの妙と相まって好きだな。マコーマックの長編『雲』はぜひ読もう。
お二人が激奨する、ダニエル・ダットンとヘザー・アルトフェルドにはそこまで入り込めなかった。ダットンの視点が徐々に不穏な様相を帯びていく感じや、アルトフェルドの『沈黙を悼む』の美しさも、好きなんだけど、タイミングかな。
共訳特集ではないが、ケリー・リンク『他人のゴースト』は、とてもいい。
ストーリーのプロットが決まらずに家の中をウロウロしている作家の視点が、基本的にグダグダな感じなのに、差し込まれるモチーフが緊張感を高めていく雰囲気がすごくいい。
幽霊話を書きながら、幽霊見たことないしなー、なんて言っていながら、一気にラストで視界がグニャリと歪むところがさすが。
このラストは“ゴースト”つながりののオチなのか?とも読める。