なんで、センセイなんだろう。 私はセンセイの名前が好きだから「春綱先生」と呼びたいななどと勝手に思いながら読み進めた。 もともとドラマをチラ見したことがあるので、「センセイ」という声は度々キョンキョンで再生され、センセイの蘊蓄も柄本明で再生された。 私がちょうど主人ツキコと同じ歳頃なので折につけセンセイに恋愛感情を抱けるのか、というか父と同じくらいのおじいちゃんだよなぁキツイなぁ…と思いながらも、でも柄本明の飄々としたセンセイっぷりは妙にそそられるところもあるなぁと、ありよりのなしとなしよりのありを彷徨った。(実際はオトモダチで十分だと思う) とは言え、ツキコが春綱先生に惹かれるところはすごくよくわかる。(私自身も主人は12コ上だしね) 40前で未婚の女性ともなると、酸いも甘いも噛み分けて逞しく生きていかないといけないような気がするけど、誰にでも甘えたい甘やかされたいという気持ちはある。それなのに、強くなるほど素直になるのが難しくなって、このままひとりで飄々と生きていくんだろうなーとか考えていたところに、春綱先生という圧倒的な年齢差と元教師という立場を持った余裕のある男性が現れたら…なんだかとても心地良くて甘えられてそりゃ恋愛感情抱いちゃうよねって思う。 何度も子どものように「センセイ」と呼ぶツキコはまるで幼児のようだ。(ここまで考えると愛着障害っぽさ出てくるな) 何かがはじまる前から、死という終わりのにおいが立ち込めている関係は、どんな気持ちなんだろう。 とても読後感の良い一冊でした🫧