
珪乃冬
@keinofuyu
2025年7月21日

植物考
藤原辰史
読み終わった
そもそも植物とは何であるのか。
作物や生物資源という概念では抜け落ちる植物らしさを、根や花、葉などといった構造に目を向けつつ、それらが持つ”植物性”と人間との共通性を発見する。
また、植物が持つ生育条件に対応する流れでプランテーションに代表にされる帝国主義が拡張されたように、過去から現在に至る人間と植物がどのような関係であったのか。そして、生物との共生なくしては成り立たない植物と酸素を生み出す植物なくしては生まれてこられない人間、二つは切り離されているのではなく連関しているのだと、人文学の視点から見出していく本。
面白かった。植物と人間の共通性を見出す試みに対して、最初は突飛に感じたが、読み進めていくたびにそうかもしれないと思うように。人間はもちろん、植物も完全なる自立はなく、互いに関係し合って共存している。GQ JAPANのインタビューも良かった。
