
青布団
@ofton_ofton
2025年8月17日

源氏物語 中
角田光代
読み終わった
もう少しかかるかと思ったが、「若菜」あたりからとりわけ面白く止まらなかった。
上巻よりもずっと面白く読んだ。結構悩ましいなと思う場面がずっと多く、登場人物の対比が非常に巧みだった。「続きはどうなるのだろうか…?」と思わせるところがとても多かった。
訳者解説に「光源氏がよりはっきりとした輪郭を得て、より人間らしくなった。」というようなコメントがあった。全体の半分を越えてから確実に頂きから降りていく感覚は読みながら感じ、色んな意味で衰退しているのが判る。生きる儘ならなさと苦悩がより強調されていた。幸せなだけが人生ではないことが繊細に描かれていたところに酷く惹かれたのかも。

