文
@fumi_hondana
2025年9月13日

読み終わった
多様性という言葉にずっとモヤモヤしている自分がいた。誰かの意見や価値観を、「多様性」という言葉で肯定することは、上から目線で対話をやめてしまっているように思っていたから。
この本は、「多様性」という言葉はほとんど出てこない。それなのに、私の中にあった「多様性」へのモヤモヤがほぐされていった。
多様性とは、個々人が好きなことや大切なものを大事にして、周りの人の価値観も受け止めること。受け止めた上で、互いの異なる価値観に折り合いをつける方法を考え続けることだと思う。その世界には絶対的な正しさはない。正しさの定規がないからこそ、この本の主人公達は悩み、時には傷ついていた。それでも彼らは彼らのペースで、前に進んでいた。彼らなりの正しさを、対話し続ける中で構築していったのだから。合唱曲は、みんなの声が違うものだから唯一の響きができるように、正しさも、みんなの価値観が違うからこそ、バランスの取れた、人の心のある正しさが成立すると信じたくなった。


