要所要所に極端な言い回しはあるものの納得度が高い。高校の時の倫理の授業は割とフラットに宗教を説明していたと思うけど、それに近い認識だった。仏教的に合っているのかは知らないけど……。思い出深い先生(今はすれ違う度にあの、何の成果もなかったがそれ故に新鮮な驚きだけを楽しみとみなせたあの高校時代のいっそ清廉な不器用さを思い出させてくれる先輩)を思い出しつつ楽しく読めた。 公私共に(そして公のなかでも何層にもいろいろあって)すこし混迷としていたときに読んだことになるけど、いい時に、いい具合に出会ったように思う。 宗教は生きていくための救いでありよすがであると認めてきたけど、その「救い」を大層なものにしすぎていた気がする。案外、宗教の良さは、宗教から離れたところに耐えて生きないと分からないのかもしれない。 と思ったところで、この本にも「ブッダは生きることのみを考えていた」と繰り返し書かれていたことを思い出した。浅学で、ごめん たぶんわたしは他の人より全体的に鈍く、成長も生きるスピードもゆっくりで、ばててふらふらになるくらいに動くと他の人並みなのだろうと気づいてきた。社会人5ヶ月目が終わろうとしている。