
miyuu
@miyuu_0824
2025年12月31日

壁の男
貫井徳郎
かつて読んだ
寂れかけた地方の集落でたくさんの家の壁に描かれた
子供の落書きのような原色の絵。
決して上手くはないその絵が人々に受け入れられるのは何故なのか。
描いているのは、中年の孤独な男性。
絵にはゆるやかに触れつつ、その男性の過去に遡っていく。
才能があるからって、ただそれだけでその人の価値が決まるわけじゃない。何をしたかが大事なのよ。
中学生の頃にお母さんからもらった言葉。
それをずっと心に置いて生きて、知らず知らずのうちに
誰かにとってのかけがえのない居場所であり続けた主人公。
この男性は、絵を描くことが好きだったのかなと
読み終わってなんとなく思った。
最後の一行、喉の奥がきゅっとなる切なさで
絵を描き続ける理由がやっと明らかになるわけだけど
悲しみじゃなく、心地良い切なさがそこにはあるんだと思いたい。