
オケタニ
@oketani887
2025年3月11日

移動する人はうまくいく
長倉顕太
買った
読み終わった
勇気を出して行動しろ的な凡庸さを「要は移動するんだ」に綴じ直す。移動は誰にでもできるから手が伸びる。
・1ページ目から、労働者誰しもが当てはまる悩みを10個並べ、この本のターゲットであることを示す。そしてプロローグに移る。
・ビジネス書(あってるのか?)を久しぶりに読んだせいか、この紙の束が貴方のマインドセットを変えて利益をもたらしますよ、的なあけすけな構えに痺れる。
断言されたものを読む快楽、何かを脳にダビングする手応えだけがもたらすものがあると知る。
・感情→行動 ではなく 環境→感情→行動
なんだから「移動力」をインストールして行動を変えろ、とにかく会社を辞めろ、と。
・そこから、お客様(読者)が凡そ躊躇うであろう環境や気分を一つずつひっくり返して商品(移動力)を営業していく。
(選択肢を広く持つ。多面的になる。そのために今の人生を捨てる覚悟を持て。知識と経験のアップデート=初体験し続けろ、人と出会いまくれ)
・巻末のtips30は圧巻。再現性のない著者の実体験を元にしてるが故に香らざるを得ない胡散臭さをギリギリで留めようとしてきた本編をぶっ飛ばす。
・書名に見出せる切り口は千差万別だが、ビジネス書的なものにはある程度同じ効能を搭載しておくセーフティネットがあるのかもしれない。かき氷のシロップを連想する。
・ビジネス書の真理は稼ぎ方を具体的に示さないことにあるのか。本書では簡単に動画とかnoteとかのコンテンツビジネスを推している。誰だって人に何かを教えることができるという。
・序盤、「移動」の反対の「定住」について捲ろうとしているのを読んで、今月の群像で平田オリザが整理していた定住の発生を思い出す。まだ連載は演劇に辿り着いていない。
・偶然的要素として、著者自身が移動に目覚めたきっかけが3.11でハワイに移住したことらしい。今日で14年。
