
Nobuhiro Sunagawa
@sngw
下巻pp.644-645
風景がますます混沌と危険の度合いを深めるにつれ、難民の流れが膨れ上がった。恐怖に慌てふためいた逃走ー集合的な夢や伝説の中では間違って記憶に残り、あれは巡礼か十字軍だったのだと再想像されるような逃走…背後にある暗い恐怖は前方の明るい希望にすり替わり、その明るい希望は大衆的な、そしてやがては国民的な幻想へと変わる。目に見えないようにそこに埋め込まれているのは古い暗闇だ。恐ろしすぎて正視に耐えない暗闇はそこで成長し、姿を変えて出現する。それは力強く、邪悪で、破壊的で、避けることができない。

Nobuhiro Sunagawa
@sngw
下巻735
「何の罪もない哀れな人たち」 彼は、まるで突然目から鱗が落ち、ようやく地上で起きている恐怖の事態が見えたかのように、何かに打ちひしがれたようなささやき声で嘆いた。「こんなことが始まった ときには・・・・・・彼らはみんな僕らと同じような少年だっただろうに・・・・・・。みんな、自分たちが底の見えな い大きな深淵の前に立っていることは知っていた。それでもそこへ飛び込んでしまった。意気揚々と笑 いながら。それが彼らなりの大冒険だった。彼らは『世界という物語”の若きヒーローだったーー脳天 気で自由な彼らは何万人単位でその深淵に飛び込み、ある日、生き延びた人々が目を覚ましてみると、劇的な道徳的地理を背景にして高い場所に掲げられるどころか、糞と死体のにおいが漂い、ネズミがあ ふれる泥だらけの塹壕に身を伏せていたというわけだ」
「マイルズ」とランドルフが不安そうに言った。「何なんだ。下に何が見えているんだ?」