壁のしみ: 短編集

壁のしみ: 短編集
壁のしみ: 短編集
ヴァージニア・ウルフ
Virginia Woolf
川本静子
みすず書房
1999年8月1日
1件の記録
  • 意識の流れと非常に微細な風景描写が織りなす作品の数々。「キュー植物園」はいま読んでも一枚の絵画を文字で鑑賞している気分になって楽しい。 「外から見た女子学寮」「存在の瞬間-スレイターの店のピンは先が尖ってないのよ」の2篇は女性同士の恋を作品に盛り込んでいるので昔から度々読み返していた。同級生にキスをされ夜明けを感じる瞬間、ピアノの先生である未婚の婦人が急に若かりし頃に戻り、そっと腕を広げ抱きしめてくる瞬間……いまよりずっと同性愛が差別されていた当時にこういった小説が書かれ読まれていたのだなと思うと単なるときめきよりも込み上げるものがある。 今回再読したが、やや歳をとったせいか「姿見のなかの婦人-ある映像」が一番ぐさりときた 生活に押し込められ粛々と生きていた当時の女性たちの、とめどなく迸る意識が全篇に流れている。
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