マリファナ青春旅行 下☆(南北アメリカ編)☆

マリファナ青春旅行 下☆(南北アメリカ編)☆
マリファナ青春旅行 下☆(南北アメリカ編)☆
麻枝光一
幻冬舎
1997年1月1日
1件の記録
  • 面白かった〜!旅行記として本当に面白い。日本から出たことがない私にはドラッグ以外の話も全てが新鮮だし、その上ドラッグによってよりディープな話題が引き出されている。同時に、筆者が「マリファナ、マリファナ」と必死になっていることに、少しゾッとする。 素晴らしい光景を見ながら「ここにマリファナがないなんて!」と言う様子。マリファナと世界のマリアージュの素晴らしさを想像させるとともに、一度それを味わうと、世界は美しいままだというのにマリファナがないことに意識が向いてしまうという切なさを感じる。 超能力がやってくるのを受け入れるための「チャンネル・オープン」の話が、カトリックである私が聖霊を待つ時の心構えに近くて笑った。私は幼い頃から神秘論者なところがあり、いわば聖霊の神秘に対して「チャンネル・オープン」状態だったから、信仰のない家庭に産まれながらも今こうしてカトリックになり導きを受けているのだろうなと思った。 カプタゴンを飲みながら勉強した話は自分が初めてコンサータを飲んだ時のことを思い出す。日本でも「家事がしたかった」という理由で覚醒剤に手を出した主婦などの事例があって、ADHD的には全く他人事じゃない。いわゆるスマートドラッグなんかもそうだ。気持ちはわかる。しかし本当に集中力に難を感じるなら一度発達障害の検査を受けた方が健全である。 先の主婦の例に反して、日本の覚醒剤、いわゆるシャブは頭がおかしくなってしまう、カプタゴンのような良い効果は全くない、と筆者は言い切っている。 ──僕の知っている日本人ジャンキーにも、「シャブ」だけはやらないという者が多い。「シャブ」をやる友人の妄想時の狂乱ぶりをみていると、やる気がなくなってしまうらしい。 (p.121) 私はBRON-Kの『ROMANTIK CITY』という曲を思い出した。ぜひ聴いてみてほしい。 ──わかるだろ?この世界でただ1つ ソレさえやんなきゃ正気でいられるのさ (『ROMANTIK CITY』より) この曲はおそらくシャブでおかしくなった友人に向けた曲なのだが、本当に美しいリリックで、ひどく胸を揺さぶられる。実は私の身近にも手を出してしまった人がいて、伝え聞いた様子だけでもそれはもう恐ろしかった。 著者はマリファナから他の違法薬物……例えばシャブなどに移行してしまうという「ゲートウェイ仮説」を明確に否定している。実際、調べればゲートウェイ仮説に疑義を唱える論文も出てくる。著者は百害あって一利なしのタバコが合法ならマリファナを合法にした方が健全な社会になると主張する。実際のところ大麻合法化の是非について私ははっきりとした主張を持てるだけの経験も知識もない。この本を読み切った今でも、今の日本ではやるべきではない、としか言えない。 大麻合法化が正しいことなら、既にやってしまった人たちだけで頑張ってもらおう。やったことのない我々は、この魅力的な植物は想像上の魔法の草だと思ったまま生きて、時折こういう本を読んで擬似体験をするぐらいでいた方が安全だ。危険を冒して執筆、出版した著者及び出版者と、この本を世に送り出せる表現の自由に万歳。
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