あきない世傳 金と銀(十二) 出帆篇

4件の記録
My Reading Record@Reika2026年7月27日読み終わったわたし自身、日本語、英語とカタチのないものをサービスとして提供する身ですが、幸の商いへの考え方に共感できることが多い。学ぶ、というか自分の頭の中にあることを言葉に置き換えてくれている感覚。 ーーー 金銀だけで商いが成るものでもありません。衣装は暑さ寒さからひとを守り、そのひとらしくあるためのもの、誰かと競い合うための道具では決してない。無駄な争いで、費やす手間が惜しいのです。 ーーー 「衣装」を「語学」に入れ替えると、ぴったりくる。
ユメ@yume_bookworm2025年12月26日読み終わった感想いかなる状況に置かれてもまっとうな商いを続ける幸と五鈴屋の面々が、改めて好ましく映る。天災に見舞われようと、音羽屋に卑劣な手を仕掛けられようと、幸の掲げる「買うての幸い、売っての幸せ」という信念が揺らぐことはない。 そんな姿を見ていたからこそ、河内屋も「浅草太物仲間から、浅草呉服太物仲間へ」という提案をしたのだろう。五鈴屋が再び呉服を扱えるようになったことが、私も我が事のように嬉しくてならなかった。真摯な願いが込められた「家内安全」の小紋染めに、しみじみと感じ入る。 商いの形が変わったことで迷いも訪れるが、帆を上げた幸たちならきっと大海原へ辿りついてくれると信じている。青畳の上に転がった淡黄の帯地を船の辿る波路になぞらえた、結びの文章が美しかった。