暮らしのならわし十二か月

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🌜🫖@gn8tea2026年1月1日買った読み終わった新年最初のお買い物は今年もブックオフ📚 この土地に生きた先人たちの、季節と共にある暮らし方を知りたいと常々思っていた。でもそれは「愛国心」からでも「伝統文化」への誇りからでもない。現在「伝統文化」と言われるものの多くは明治あたりに形作られた新しいものだろうし、そのルーツのほとんどは中国や朝鮮にあるだろう。それに「伝統」という言葉には注意が必要だ。権力者、国が「伝統」ということにしたいものはなにか?なにが狙いか?疑う必要があると思う。 季節の行事に関する本は「愛国心」やら「伝統」やら「誇り」やら、むずむずするような思想を感じることが多く、パラパラとめくってはすぐ棚に戻すを繰り返していた。 この本はまず、題名の「ならわし」という表現に惹かれた。「しきたり」でも「伝統」でもなく、「ならわし」。自然と受け継がれ、習慣となったもの。些細なことだけれど、この言葉選びが好ましく感じられて手にとった。 内容も「日本人なら知っておきたい!」「誇るべき!」みたいな押しつけがましさはなく、各地に残るならわしとそのルーツについてやさしく語られている印象で、民俗学の先行研究も参照されており、嫌な気分になることなく読むことができた。 なにより購入の決め手となったのは、「おわりに」の次の文章だった。 「もし私たちの文化が、これまで生きてきた古来の人々の営みの積み重ねであるなら、ひとつだけ願うことがあります。中国や朝鮮半島などから海を越えて伝わってきた、数々の知恵の贈りものが、いまに連なる豊かさの糧となってきたことを、私は忘れたくはありません。自身の文化を本当に愛することとは、相手の文化をも愛し、尊敬し、感謝することではないでしょうか。アジアの、そして世界の人々に対して、いつまでも変わることのない友愛の気持ちを、さまざまな文化が溶けあって生まれた、この島国の暮らしのならわしとともに、大事に育み続けていきたいと願ってやみません。」 この部分を読んだ瞬間に買うと決めた。わたしが読みたかったのはこういう姿勢で書かれた本だ。やはり題名の微妙なニュアンス、言葉選びにも筆者の思想は反映されるものなのだ。 というか本気でなにかしらの文化について、そのルーツを紐解き理解しようと思うなら、排外主義にはなりようがないと思うのだけれど……。「おわりに」のこの文章を読んで感動してしまう現状が悲しい。
