太平記(下)
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cookingalone@cookingalone2026年1月5日読み終わった『魁 男塾』という漫画があり、結局、あれはどう終わったのかを知らないが、太平記を読んでいると、むさ苦しい男たちが「名誉!」「名誉!」と叫びながら、ひねもす腹を掻き切り、自らの腸を投げ捨て、無駄死にするかと思えば、戦いのクライマックスで「やっぱ、これ、やめときますわ」と言わんばかりに、ブラックジョーク的なオチをつけて終わらせ、さらに故事を引用しつつ、説教を差し込むという、『魁 男塾』を煮詰めた世界が広がっており、当惑した。 が、底流にどす黒い笑いが渦巻いている感じが次第にクセなってくるところも否定できず、谷崎潤一郎が太平記を引いて、女中たちのドタバタ劇を描いた意味も、ここに来て良く分かった。 解説によれば、水戸徳川でもよく読まれ、尊王攘夷の気風を準備し、明治期以降も教科書で取り上げられ、「太平記」を間に受けた者たちが『魁 男塾』ばりに名誉の戦死を遂げるまで脈々と日本のエートスに深く関わりを持つという。そうしてみれば、私がこのテキストに『魁 男塾』を見いだしたとしても、それほど筋は間違っていないのではないか。
