久坂葉子作品集 女 (1978年)

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みつき@mitsuki_o2026年1月2日読み終わった図書館本文芸@ 自宅自死の数ヶ月後に富士正晴によって編まれた作品集を、四半世紀経ってから編み直したもの。収められた六作品はどれも自伝的な要素が濃く、空襲の際に感じた死への恐怖なども書かれてはいるものの、希死念慮や自殺未遂の記述に溢れていて、この人は人生の最初から自死に向かって突き進んでいた人なのではないか、と思わせる。他者に殺されることに怯えつつ、自ら命を絶つことを目指し続けたのではないか。死の動機は『久坂葉子の誕生と死亡』(pp5-16)では作家としての才能の限界を感じたからと書かれ、『幾度目かの最期』(pp259-302)では三人の男達(緑の島、青白き大佐、鉄路のほとり)との恋愛と殊に鉄路のほとりから受けた冷たい仕打ちと暴言のためと書かれており、書かれた順番からして前者の動機に後者の動機が重なってしまったのかもしれないが、それらの動機は後づけであり、死への希求が久坂葉子の人生と作品そのものであったように感じる。