海

12件の記録
篠乃崎碧海@Aomi_rds2026年4月20日読み終わった先日ふと、あれ、そういえばこれ読んでないぞと気付いたので今更読んでみた。 やはり小川洋子は短篇の名手だと思う。静かで小さな箱庭には、きっと少ないくらいの言葉の方が落ち着くのだろう。語りすぎないくらいがちょうどいい。 印象に残ったものをいくつか書き残してみる。『海』表題作。楽器の名前だけでもう詩だなと思った。潮のにおいのする詩は好きだ。 『バタフライ和文タイプ事務所』途中まではこの短篇集の中で一番好きだと思った。が、最後の幕引きはやりすぎ。やや興醒めしてしまった。そういう意図だとはわかるけれども、美しいまま退いて欲しかったと思ってしまった。 『ひよこトラック』バタフライ…が一番にならなかったのでこちらが一番。カラーひよこ、今時もう滅多に見かけない。田舎の夏祭りで一度だけ見たことがある。いたいけな残酷さを思い出すなどした。
いちのべ@ichinobe32026年1月30日読み終わった『ガイド』読了。 序盤、ママに気を遣う「僕」の様子に胸がざわついたが、小父さんとの交流、機転をきかせてトラブルへ対処する様子、ラストの「シャツ屋」での会話など、最終的には彼の賢さと頼もしさ、ママへの敬愛を清々しいきもちで受けとめることができた。 --- 匂いも手触りも異なる、でも同じ静けさを温度を感じるような物語が詰まっていて、ひとつ読むだけで贅沢な心地がして、少しずつ読み進めるのが楽しい短編集だった。 個人的にいちばん印象深いのは『海』で想起させられる不思議なイメージだったなあ。


いちのべ@ichinobe32026年1月29日読んでる『ひよこトラック』読了。中年のドアマンと、大家の孫娘との不思議な距離感。ただ微笑ましいというだけでなく、すこしの危うさや仄暗さが滲む。生きた虫でもなく、死骸でもなく、抜け殻を選ぶ少女の審美眼よ。男が蝉の抜け殻を観察するところと、ラストの情景の鮮やかさが印象深かった。
いちのべ@ichinobe32026年1月12日読んでる『バタフライ和文タイプ事務所』『銀色のかぎ針』『缶入りドロップ』読了。 バタフライ〜が、どこか幻想的ながら粘度のあるエロティックな話だったので、その後の掌編が小休止めいた配置で短編集として心地よいリズムだった

いちのべ@ichinobe32026年1月11日読んでる『風薫るウィーンの旅六日間』読了。物語の骨子だけならコントにすら出来そうなおかしみがあるのに、小川さんが描くと静謐でうつくしい情景になるのだなあとしみじみ。

いちのべ@ichinobe32026年1月10日読み始めた『海』読了。結婚を前提に交際している恋人のことは魅力的な唇の持ち主という以外あまり印象に残らず、海辺で未知の楽器を奏でる弟の情景、死にまねをするオポッサムのことが強烈に印象に残るという、不思議な味わいが心地よい。 おばあさんの不穏な発言、弟の言動のアンバランスな幼さ、客を迎え慣れていない両親、実家での恋人の態度など、この家なんかあるんだろうな〜というにおいが薄ら漂っているのも居心地悪くていい。





