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いちのべ
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@ichinobe3
何でも雑多に読む。
  • 2026年8月24日
    「弔」怖い話 禁庫開錠
    どの方向性もありそうで、しかし答えをひとつには定めきれない『加護か贄か』が恐ろしかった。
  • 2026年8月22日
    宗教のきほん 人間にとって神話とは何か
    『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』を観たあと「神話っぽい」と感じたが、漠然とそう思っただけで、そもそも自分は神話について全然知らないのでは……?と思い手に取った。 「第2章 神話が伝えていること」の、世界のはじまりについてまで読む。 あらためて振り返ると、神話を本で読んだのは町田康『口訳 古事記』や、子ども向けのギリシャ神話くらいで、北欧神話やリグ・ヴェーダはゲームに取り入れられた要素を知っている程度。 なので「世界のはじまり」の創生神話、「アースダイバー型」や「巨人の死体からの化生型」は初めて知って、ブッダの生まれとの関連性の示唆など含めて何もかもが興味深くて楽しい。
  • 2026年8月22日
    〈家庭の天使〉を殺す時間ーージェンダーの視点で読み解く日本ミステリ史
    シスターフッド書店KaninさんのInstagramを見て。
  • 2026年8月22日
    黒牢城
    黒牢城
    第一章が、現代でも起こりそうな雪密室というシチュエーションで、当時ならではの凶器。第二章は「討ち取った首のどちらが大将か?」という、この時代だからこそ起こる謎なのも、その解決も、面白すぎる……読み終わるのが勿体無くなってきた……
  • 2026年8月22日
    黒牢城
    黒牢城
    時代小説を読み慣れていないため、人の名前も覚えづらく、えっちらおっちら読み進めていたが、自念の死が密室殺人で一気にテンションが上がり、村重が地下牢の官兵衛に助言を求めるくだりに「レクター博士か!?」とワクワクが止まらなくなっている
  • 2026年8月19日
    このマンションに老人は入居できません
    サクッと読めた。「モキュメンタリーホラーを作ろうと取材していたら、本当のホラー展開に巻き込まれる」というメタっぽい趣向。そのための資料は色々提示されるものの、語り手が資料同士を繋げて考えてくれるし、出てくる要素のほとんどが作中で説明されるので、モキュメンタリーホラーらしい考察の楽しみはなかった。
  • 2026年8月17日
    肉は美し
    肉は美し
    河出書房新社セールで購入
  • 2026年8月16日
    菜食主義者
    菜食主義者
    初めて読むハン・ガン作品。 序盤、「想像より読みやすいな」と感じたのは、連作中編のひとつめである表題作の語り手・ヨンヘの夫が表層的な人物だったからか、と読み進めるうちに気づく。 後半に進むほど自己を、人間という存在を、掘り下げていくような感覚があった。 『蒙古斑』で描かれる姉の夫の一方的で奇妙な欲望はどこか滑稽でもあり、『木の花火』は「こちら側」で最善を尽くして生きる姉の苦しみに勝手に共鳴して息苦しかった。 > この泥沼のような人生を彼女に残して、一人だけ境界の向こうに行ってしまった妹の精神を、その無責任が赦せなかったことを。(p227) 物語を追いたいとはまた別の感覚で、読む手を止めることができず没頭して一気読みした。連続して読むには気力が要るので、また時間を置いてから他のハン・ガン作品と向き合ってみたい。
  • 2026年8月16日
    闇の左手 (ハヤカワ文庫SF)
    闇の左手 (ハヤカワ文庫SF)
    「7. 性の問題」が何もかも興味深すぎて全文にアンダーラインを引く勢い。両性具有社会に起こると仮定される事象や考察が面白すぎる〜! > 十七歳から三十五歳ぐらいまでのすべての人が、(ニムの言によれば)〝出産にしばりつけられる〟義務を免れないという事実は、ここでは、よその世界の女性のように完全に〝しばりつけられる〟ことがないということだ──心理的にも肉体的にも。つまり重荷も特権も、すべての人がほぼ同等に分かち与えられる。すべての人が同等の危険、同等の選択の機会をもつ。(p113) > 同意のない性行為、強姦は存在しない。人間以外の大部分の哺乳動物のように、交接は、相互のいざないと同意のもとによってのみ成立する。(p113) > たとえ相手の関心や賞讃の示し方が間接的で微妙であっても、一般に男性は男らしさを認めてもらいたいし、女性は女らしさを認めてもらいたいものだ。惑星〈冬〉ではそうした評価は存在しない。ひとは人間としてのみ顧慮され、判断される。これはぞっとさせられる体験である。(p115) 最後の引用は「そ、そうか、バイナリーな性自認だとそんな感覚があるのか……」とあらためて驚いた。自分が求めているものが「ぞっとさせられる体験」とされることにも。
  • 2026年8月15日
    処刑館殺人事件
    クローズドサークルの館で、ミステリ作家養成講座出身の男女六人が次々と殺されていく……という趣向、ひとりひとりのキャラクターも立っていて「こいつウゼェな」と苛立つ人物もいれば「い、生き残ってほしい〜」と肩入れしてしまう者もいるが、等しく情け容赦なく死が襲う理不尽さ。 彼らの推理→犯人からの手紙→真相へとひっくり返されていく結末は、よくもまあそんなことを考えるなあ!とワクワクした。そして真の動機が何のロマンティックさもない下衆な欲望によるものであること、それにより前途ある作家たちの未来が奪われたという虚しさよ。 > 「替え玉殺人なんて、古臭いにもほどがあるって言うんだよ」(p5) 冒頭のこの、編集者から受けた言葉への挑戦状のような作品だったということか〜。
  • 2026年8月15日
    闇の左手 (ハヤカワ文庫SF)
    闇の左手 (ハヤカワ文庫SF)
    今こことは異なる星の話が、注釈ほとんどなく繰り広げられるので読むのに体力が要る、が、面白い。 「“永遠のブレッド・アップル”って何!?」とか、氷点下の地では貴重な熱いビールとか、食べ物も謎めいて美味しそう。 > そうしようと努めるのだが、そうした私の努力は、ゲセン人をまず無意識的に男として見、それから女として見、しかるのちに、彼らの特質からいえばまったく不当な、私にとってはきわめて本質的な男女いずれかの範疇に押しこむという形をとってしまう。(p19) ゲセン人は両性具有らしく、このような描写があり、事情は異なれど、自分がノンバイナリーであると伝えたときも相手の中でこういった心情が生まれるのだろうかと思うなど。 > 当時は今と変わらず、同じ両親の血をひいた兄弟は、どちらかが子供を生むまではケメルの誓いを守ることが許されていましたが、子供を生んだのちには別れねばなりませんでした。その後は死ぬまでケメルを誓うことは許されなかったのです。(p31) 途中に挟まれる神話や民話も面白くて、特に「ケメル」(厳密な定義はまだ文中にはないが、何となく番いになる的な意味っぽいと察せられる)を誓った兄弟の話が、近親相姦がある時点までは許されるが、その後は罰せられるという、現実ではあまり聞いたことのない倫理観が興味深かった。
  • 2026年8月14日
    鉱物怪談
    鉱物怪談
    鉱物も怪談も好きなので楽しく読めた。特に田辺青蛙さんの章は石に関する知識も豊富で興味深い。
  • 2026年8月12日
    イシナガキクエを探しています
    イシナガキクエを探しています
    本編を観たのがもう2年前で忘れていた部分もあり、追加情報も多く、あらためて新鮮に楽しめた。謎や余白の多い本編も味わい深かったし、おおよそすべての真実が明かされる書籍版はまた違った面白さがある。
  • 2026年8月12日
    消えるヒッチハイカー
    消えるヒッチハイカー
    図書館の新着コーナーで見かけて面白そう〜と手に取ったら、〈都市伝説〉研究の古典的名著の新訳だった。 「第二章 自動車にまつわる都市伝説」まで読む。 タイトルにもなっている「消えるヒッチハイカー」、日本では(自分の見聞きする範囲では)タクシーの話が多いのはお国柄なのか。日本やアメリカに限らず様々なバリエーションがあり、徒歩や馬、馬車など時代に合わせた交通手段の話が採集されているのも興味深い。 > 伝説が生き続けるのは、テレビの夜のニュースのように臨場感があって本当らしいからであり、日々報じられるニュースがそうであるように、死や怪我、誘拐、悲劇、スキャンダルに関するものが多いからである。人との直接のやりとりを求める人間の基本的な欲求は、マスメディアやポップカルチャーで完全に代替できるものではないようだ。私たちには、世の中で起こっていることについて、目の前にいる人間から直接聞かなければ関心が満たされない部分があるのだ。(p27)
  • 2026年8月11日
    紙の梟 ハーシュソサエティ
    「人ひとりを殺したら死刑になる」という思考実験めいた状況の日本における殺人事件を描いた中短編集。 どの作品も、この状況下だからこそ発生する動機や葛藤が描かれていて興味深かった。特に『レミングの群れ』が厭だし起こり得そうだしで終始、心がざわついた。 いじめを苦に自殺した生徒、そのいじめっ子をインターネットで追跡・晒すだけでなく、「敵を撃つ」=殺す男が現れる。彼は自殺した生徒ともいじめっ子とも利害関係のない、自殺志願者で、死ぬ前にせめて社会の役に立ちたいと、いじめっ子を殺して死刑になることで自殺を成立させようとしたのだ……そして類似犯が次々と現れる。しかも犯人はインターネット上で称賛される。 > これで世間の論調は変わるかと思いきや、驚いたことにあまり変化はなかった。当然のこと、と考える人は予想外に多かったのである。いじめっ子は三人とも死刑になるべきだが、現刑法下でそれが無理なら、誰かが命を賭して社会正義を実現するしかない。己の命を犠牲にしてまで正義の鉄槌を下した犯人は、神風特攻隊員にも匹敵する愛国者だ。そんな極論まで飛び出した。(p140) > 建前は、説得力を失っていた。義父の言う“素朴な感情”を、人々が剥き出しにし始めたかのようだった。もともとネットには、思いつきをそのまま書き込む人が多かった。かつては匿名だからこそ極論や暴論を吐けるのかと思われていたが、今では実名でも抑制の利かないことを書く人が増えた。おそらくそれは、素朴な感情でものを言う人が多数派になったからだろう。暴論が少数のうちは、良識派から非難を浴びる。だが数のバランスが崩れれば、多数派が正義だ。自分の身内がいじめのせいで自殺したら、という仮定の前には、どんな正論も無力だった。(p140) これらの社会の流れの有り得そうなところがグロテスクで読んでてゾワゾワしたし、また別の仕掛けもあって最後まで楽しかった。 「人ひとりを殺したら死刑」なので、全ての指を削ぎ、目を潰し、舌を切り落とし重傷を負わせる『見ざる、書かざる、言わざる』、動機に驚きが込められた『籠の中の鳥たち』、復讐がもたらす悲劇を描いた『猫は忘れない』、恋人を殺された男が彼女の足跡を辿る『紙の梟』、ひとつひとつ趣向が違って読みごたえがあった。
  • 2026年8月11日
    花檻の園
    花檻の園
    身体から花が生える奇怪な現象に見舞われる美少年と、彼と共に現実とは異なるルナパークに迷い込む転入生。 肉を破って花が生える描写や、花を切り落とす痛み、同級生たちに花を奪われる場面など、痛々しく悍ましく「厭」ではあるが、「恐怖」の色は薄いなと感じる。それは現象の因果関係が明確なことにも由来していそう。神格を退治はできないまでも、日常生活を送れそうなレベルでは対処もできているし。 昔の新世界や人々の空気感、「美貌」を持って生まれたが故の不運だけでなく、今でいうヤングケアラーの葛藤も盛り込まれていて、色々な面で心のやわらかいところを撫でられるようなお話だった。
  • 2026年8月11日
    栞と嘘の季節
    栞と嘘の季節
    それぞれの嘘に、それぞれの理由があって、互いの物語には踏み込みすぎない。主人公たちの、その距離感と聡さが読んでいて心地好いなと感じる作品。 前作に引き続き今回もまた、めちゃくちゃきな臭い事が起こっていて、罪のない生徒たちまで影響を受けてしまって、そしてそうなるに至った個々の背景を想像すると気が滅入る、人間や社会の厭なことがきちんと起こる世界のもと「青春」が描かれているところが好きだ。
  • 2026年8月10日
    骨を喰む真珠
    新聞社に届く奇妙な手紙、豪邸へ潜入取材する婦人記者、奇妙なほど若々しい夫人、咳に覿面に効く丸薬、夜な夜な庭へ出ていく美しい娘……というミステリアスで耽美な舞台仕立てで、人間と人外それぞれの欲望が引き起こす悍ましく悲劇的な物語が描かれていた。前半は怪奇ミステリ、後半は冒険譚のような印象。 前半の主人公である苑子の真っ直ぐな気性や勇気に好感を持っていたので哀しい気持ちもあるが、妹の栄衣と同僚の操が遺志を継ぐ凸凹バディめいた働きを見せるのは物語として面白かった。 礼衣をはじめ、悪い行いをしでかしたものは報いを受ける(白潟もある種の罰を受けることになる)という結末で、割合に爽やかな読後感だった。
  • 2026年8月9日
    予言のけもの (角川書店単行本)
    ある少女が書いた、長い長い手紙でほとんどが構成されている小説。 少女が聞き取った怖い話も織り交ぜられるものの、淡々とした内容なので正直、途中ちょっと飽きてしまったのだが、最後には、ひとつひとつの話の指し示す意味がわかるので初めから読み返したくなるし、「何故こんなにも長い手紙を書く必要があったのか」という理由もわかるので満足度が高い。 哀しくて愚かでおそろしい物語だった。
  • 2026年8月8日
    名探偵の有害性
    物心ついてからずっとミステリを読み続けてきた自分は、この小説も「助手」の目線で「探偵」の姿を描いたものなのだと思い込んで読み進めていた……と、第六章あたりで気づいた。「助手」は「探偵」の活躍を記録して描写する視点であり、存在が透明化されがちだ。 でも、この小説は、かつて「助手」だった鳴宮が過去を振り返り、自分の道を歩き出すまでの物語でもあった。貴重な「おばさん」が主人公の小説であった。 > 「黙らない。誰も、黙らなくていいっ! わたしたち、誰も、黙ってろなんて言われても黙らないっ。あれよっ、ころんちゃんは、言いたいことぜんぶ、言って、いいのーっ……」(p385) 最後の章で鳴宮がこの言葉を吐き出せるようになったことが、無性に嬉しかった。たぶんこの先の鳴宮は、誰かにとっての「発光するおばさん」になるんじゃないかな、と感じられるラストも。 そして、見て見ぬふりをしたこと、配慮できなかったこと、時代の「空気」に流されたこと、正義や真実を追求する過程で誰かを踏みつけてしまったこと。かつての名探偵と助手がそれらに向き合う旅は、同じ「平成」に自分がやったことや言ったこと、楽しんでいたこと……己の有害性を想起させられる感覚にもなった。 > 「(前略)でも……二十六年後のぼく、すっかり歳を取った江藤光一が、いま思ってるのはね。あのころだって、ずっと、人間は、社会は、すべては、もっと複雑だったってことだよ。そのことに誰も気づいてなくて、みんなで狂想曲の中で楽しく踊ってたってことだよ。そんな遊びの時間はもう終わって、消費した人の責任だけ残ったのが、令和だって。ぼくは、わかりやすい娯楽物語とはちがった、複雑で暗くて面白みの少ない自分のほんとの人生のことも、いつか誰かに知ってほしいって、ずっと思ってた。だから鳴くんの今の話も、きっと……」(p237) ミステリの中の名探偵たちに心ときめかせて育ったからこそ、この小説が沁みるという感覚もあり、これまでミステリを読んできてよかった!この小説に出会えてよかった!という気持ち。
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