令和元年のテロリズム(新潮文庫)

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- じゅら@jura_mizu2025年3月12日読み終わった“(元農林省事務次官長男殺害事件の被害者である)英一郎はどうしようもない面を持つ人間だったということだ。しかし彼のそのどうしようもなさは、菊池の見解によればアスペルガー症候群と密接な関係があった。また事件の要因となったのは、英昭が様々な試行錯誤をしながらも最終的に問題を家庭の中で抱え込んでしまったことだ。それならばやるべきなのは、熊澤家の事件を、横田が書くように「この家庭の「悲劇」」「「家庭」だけの問題」としてではなく、「現在の社会そのものから必然的に生じた事件」として捉えること──彼らを包んでいた分厚い繭を切り開き、社会の側へと折り返すことだろう。” “ツイートを始め彼が残した言葉から浮かび上がってくる人物像はどうしようもない。そしてそのどうしようもなさについて考えなくてはならない。”