ちくま日本文学(005)

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roiban@roiban2026年3月1日読み終わった「みそっかす」が長くてしばらく積んだ。戦前の生活史。語り手の幸田文自身は逞しく生きるのだが、親兄弟の死や家の焼失・水害が今よりずっと身近なものとしてあって悲痛(この時期の随筆全てに同じことを思うかもしれない)。小説の収録作では「笛」「黒い裾」が良かった。「黒い裾」は喪服を着る稀な機会にしか顔を合わせない親戚たちの人生が早回しで過ぎる。理不尽や悲哀をぐっと堪えるエネルギーが読み味として各作通底していたように思う。