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@roiban
SF・ミステリー・科学・文化など
  • 2026年5月31日
    ミッテランの帽子
    ミッテランの帽子
    『言語の七番目の機能』繋がりでたまたま手に取っただけだったが良かった。面陳されていたので最近出たのかと思ったら刊行は2018年。没後30年に合わせたのだろうか、商売が上手い。80年代パリへの憧れを掻き立てる食事、服飾、香水、建築…の書き振りもさることながら、実在の政治家を出演させながらこんなに朗らかにまとまることに驚いた。フランス人読者がこれをどう評価しているのかにも関心が向く。/人は誰しも失意の中でも再起のきっかけを秘めている…というリアリズムに寄りかかるのではなく、帽子が本当にパワーを秘めているのかもしれない、と思わせる作りはなかなか不思議ではある。「七番目の機能」然りミッテランという人物には何かそう思わせるものがあるのか。
  • 2026年5月29日
    レトリック感覚
  • 2026年5月28日
    HHhH
    HHhH
  • 2026年5月24日
    レトリックと詭弁
  • 2026年5月23日
    何者
    何者
  • 2026年5月13日
    キャッチャー・イン・ザ・ライ
    キャッチャー・イン・ザ・ライ
  • 2026年5月10日
    言語の七番目の機能
    言語の七番目の機能
  • 2026年5月3日
    去年、本能寺で
  • 2026年5月3日
    丸いもののもつ慰め
    丸いもののもつ慰め
  • 2026年5月2日
    読んでいない本について堂々と語る方法
    読んでいない本について堂々と語る方法
  • 2026年4月29日
    倫敦スコーンの謎
  • 2026年4月28日
    暗号の子
    暗号の子
    実在の情報技術を題材に採っているだけあって、書かれた時期に幅を感じさせる(と言っても古いもので2019年初出なあたり流れの速さも感じる)。ブロックチェーンやVRを共通にテーマにした作品がいくつか。「ローパス・フィルター」はSNS上での過激な言動を除去するプラグインが流行した結果、「不可視化された」人々の一部が精神的に追い詰められた事件の真相に迫るもの。アルゴリズムへの抵抗としてマジョリティがそれを選択することはないのでは、というのは2026年をカンニングしているからこそ言える。テクノロジーへの楽観という意味で通じる「ペイル・ブルー・ドット」は、一転して著者自身後書きで述懐するように爽やかで良かった。くたびれた管理職が小学生に触発されて宇宙への憧れを取り戻すまで。小型人工衛星設計の過程でArduinoやらローカルLLMやらの語が飛び出していて、読み応えがあって良い。初出が「トランジスタ技術」誌と聞いて納得。
  • 2026年4月26日
    会話の0.2秒を言語学する
    面白かったー。0.2秒とは会話の話者交替(ターンテイキング)にかかる時間。その僅かな間に人は驚くほど複雑な処理を無意識に行なっている。文の意味理解と応答の生成は素朴に考えるような純粋に演繹的なものではなくて、確率の最大化と呼べるような推論が行われていること。言語は文だけではなく、フィラー(あのー、えーと)やジェスチャーをヒントとする「サポートありきの設計」であること。「えーと」と「あのー」の使用場面が異なっている(我々はそれを無意識に使い分けている)、というのは衝撃的だった。この本の知見を活かすとテキストコミュニケーションの「うまくいかなさ」にも光を当てられそうな気がする。
  • 2026年4月25日
    世界99 下
    世界99 下
    感想を書くだけでも緊張させられる。読み終えると確実に「アップデート」させてくれる小説だが、そんな感想に籠る「共感」のシグナルの欺瞞を鼻で笑う視点も同時にインストールされる。一貫して扱われているのは女性への加害。眼差し、制度、コミュニケーション、一挙手一投足に至るまでの暴力性が、全く手を緩めることなく暴かれる。ピョコルンが発明された未来社会はそうした問題が一度リセットされるように見えて、根底では何も解決していない。役割のスライドにより虐げる側の視点も語り手に宿らせる装置として、ピョコルンはそこで機能する。動揺させてくれるのは良い読書、ということで差し当たりこの体験を総括するしかなかった。初村田沙耶香作品だったが、他も読んでみようと思う。
  • 2026年4月21日
    世界99 上
    世界99 上
  • 2026年4月20日
    カフェーの帰り道
    良かった〜。上野のあたりにひっそりと店を構える「カフェー西行」で働く女給たち。そのそれぞれの暮らしを、大正〜戦後復興期の四半世紀ほどに渡る期間から切り抜いた連作短編集。厚塗りの化粧を見れば竹久夢二の絵にたとえ、生活の質はチップに左右され、銀座の高級カフェーを羨む。そういった細やかに織り込まれる当時の常識が面白い。ミステリー的な謎ではないが、人が他人のことを知ろうとする努力と喜びが各話の牽引力として絶妙だった。(ネタバレ)ラスト2話が特に良い。「お土産」が煙草のことだとは、現代の感覚からすると読めなかった。敵性語の言い換えで戦中「金鵄」と言い換えられたゴールデンバット(という煙草の銘柄)が、出征した息子との死別から母親が立ち直るきっかけになる、というのがよくできていた。
  • 2026年4月19日
    謎の香りはパン屋から2
    良かった。1巻で出来上がったパターンとキャラクターを引き継いでいてサクサク読める。パン屋ならではの謎が提示され、その裏側を熟知する人にしか思いつかない理由で突き詰められていく第二章「祝福のデニッシュ」が特にうまくはまっていて印象に残る(パン屋というよりはパティスリー側だけど)。誰かが隠していた事情を言い当てて踏み込んでいくという意味で基本的にお節介なのだけれど、そういう大らかな温かみも作風としてまた良い。
  • 2026年4月18日
    斜め45度の処世術
    小説のネタになりそうな話を果たしてエッセイ集として消費していいのか、といらぬ心配をしながら読んだ。七転び八起きの話は「偽物」にもあったし、ホテルアルバイトの経験は「スメラミシング」に反映されている。小説論は『言語化するための小説思考』と一貫していた。みたいな気付きをファンサービスとしても楽しんだ。しかし時折挟まれる昔話は本当に実体験なんだろうか…と『君が手にするはずだった黄金について』を読んでいると、失礼ながら疑心暗鬼になる。実はこれも小説なのではないか?という。時に不合理な自分の心の動きに対して徹頭徹尾分析的で、こうありたいな〜と素朴に憧れた。
  • 2026年4月18日
    土人形と動死体
    面白かった。『地球へのSF』で既読だが「独我地理学」がやはり素晴らしい。世界の形状が半分数学半分まやかしのような論理で突き詰められていく(「観測」を鍵とする点で割と理解しやすい)。「無名再帰書」は「魔術とはどうあるべきか」のルール作りの試みと、ダジャレのようなタイトルが劇的に噛み合う。連作短編集ということで、世界観がゆるく共有されている作品たちが徐々に繋がっていく、ように見えてあらぬ方向から物語全体が俯瞰されたあと、なんだかんだいい具合にまとまる。
  • 2026年4月9日
    正欲
    正欲
    良かった。構成が似ているメガチャーチとはどうしても比較したくなる。こちらは茫洋とした幕切れだなという印象は受けた。性に裏打ちされた正しさを徹底的に問い詰めた先で、正しさがどんどん遠のいていく(メガチャーチに似たような台詞があったな)。仕掛けと捉えるべきなのか定かでないけど、彼らの欲望する「水」に人の介在が不要なのかというのはやや疑わしくて、語り手を信頼しきれなかった。
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