朱泥抄
2件の記録
由々@kk_23292026年2月14日まだ読んでる読書日記Kindle Unlimited抜粋2%-11%(p.10-25/188) --- "先夜の「デザート」に当ったお方の、お菓子の配分は見事であった。「ほんの少し…」と言う方へは、取り皿をはみ出す程に切り、「おいしそう……」とおっしゃるお方には薄く切って上げていたソフィスティケートな御対応は、正直者の私などにはとても及ばぬ振舞いと感嘆した。"(p.15) "サマは視覚の領域にとどまることが多いが、様子には視覚を超えた言葉のかたちがある。物のかたちも、視覚を超えるものがないと、かたちとしての力が弱い。"(p.17) "自然を壊すとか、公害とか大問題でなくても、私などは、自分の身の周辺にプラスチックスの用具などが侵入してくると、なんとなく拒絶反応をおこす。 かたちがこのましくないからである。そのかたちは、質がつくっているかたちだからである。プラスチックスでも食器としての一応のかたちを持っているとしても、本当の機能は果せない。視ても触れても唾液の誘いはないから、いいかたちとは申せない。だからかたちはいいが質が悪い、などということはほんらい成り立たない。"(p.17) "化学繊維の衣類も私は同じように反応する。「浴衣の糊の利かせ方がわるいと肌が承知しない」と昔の人はよく言ったが、ストッキングなど着けるとき、いつもこの言葉を思い出し、いやいや着けるのである。ずるんとしていい恰好のものとは思われない。身に添うようで添っていない。無機質なのである。 現代では偏見に過ぎないとされることも承知だが、私は好まない。ずるんでないしっとりと生きのある絹とか木綿を着けたい。こちらは身に添わないようでいて添っている。そういう質がつくるかたちがやはり生きたかたちをつくる。"(p.17) "質と、使われ方と、かたちは三つ巴になっていて、どれが先でも後でもない時のかたちが上等のかたちで、様子のよさに結びつく。"(p.18) "これは、とり定めが単にタテ三本とだけで、大も、小も、長さも、太さも、血も質も、記す用具も、一切とり定めがないことによる。文字は生きた人の手で自由に書かれ、砂にも木にも石にも記され、生きたかたちを保ちつづけてきた。"(p.19) "物の伝達のかたちはこれからも変って行くことであろうから、時間は全部過渡期、とすれば、これでよし、という安堵はないので、動きながらいいかたちをとらなければならない。"(p.22) "日本人をはじめ、どこの国の人達も、これからあまりいいかたちで生きられないかもしれない。「様子がいい」などますます聞けなくなりそう。"(p.23) --- 良い………。「「かたち」を問われて」が良すぎて抜粋もしまくってもた。期待を軽やかに超えていってくれる篠田桃紅素敵すぎる。
由々@kk_23292026年2月6日読み始めた読書日記Kindle Unlimited電子書籍@ 自宅0-2%(0-p.10/188) --- --- この前のひとり時間の&Premiumで知った篠田桃紅。Kindle Unlimitedに1冊あったので早速。