初恋の悪魔 1

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- 読書猫@YYG_32025年7月11日読み終わった読み直した(本文抜粋) “「人間からお風呂とお布団を奪ったらどうなる?」 「殺し合う」 「ガンジーだってナイチンゲールだってお風呂とお布団がなかったら人を愛せなかった。今すぐあの人にお布団とお風呂を返してあげなきゃ駄目なんだ」” “「……前の日、兄から電話あったんですけど、自分、出なかったんですよ。次の日兄が死んだって聞いて、思いました。またやらかしちゃったな。昨日電話出なかったから、兄ちゃん死んだんだな。って。兄と話すと、自分のしょうもないところ、駄目なところ思い知るだけだから、無視してたんです。欲しいものを手に入れた人と手に入らなかった人がいて、一番欲しいものが手に入らなかった人は、もう他になんにも欲しくなくなってしまう。あ、僕はもう十分なんで、結構です結構です、僕はこれでいいんで、満足なんで。みなさんで楽しんでください。顔はね、笑ってるんです。でもそんなの上っ面で、心の中じゃ、心の中では……」 「俺を笑うな。俺を馬鹿にするな。俺にアドバイスすんな。俺に偉そうにすんな。もっと俺を尊敬しろ……(また笑みを浮かべ)そういうね、ひん曲がった奴だから、兄は死んでしまって……」” “「真淵くん、君は優しい人だけど、そういうことを言ってはいけないよ。普通という言葉に恐れを抱き、おびえてしまう人間は存在するんだ。目の前にいる人が今にも、あなた変だよ、なんか気持ち悪い、そう言い出すんじゃないかと思って存在を消してしまいたくなる人がいるんだよ。オクラホマミキサーを踊った時から何年経っても何十年経っても、それは変わらない。たとえどんなカテゴリーに入っても、そこでの僕は変わり者なんだ」” “「ま、ないものねだりって言うけどさ。普通の人とか、特別な人とか、平凡とか異常とか、そんなのないと思うよ」 「そうでしょうか」 「ただ、誰かと出会った時にそれが変わるんだよ。平凡な人を平凡だと思わない人が現れる。異常な人を異常だと思わない人が現れる。それが人と人との出会いの、いい、美しいところなんじゃないの?」” “「俺、好きな人いるんで」 「きっと絵で出来てる人よ。絵でしょ、絵を集めてるのよ」 「絵を好きになっても、絵は好きになってはくれないぞ」” “「僕が大丈夫だったことは一度もありません。そういう意味で大丈夫です。失礼します」” “「人は人。自分らしくしていればね、いつか未来の自分が褒めてくれるの。僕を守ってくれてありがとう、って」” “「大事なことは体全部でおぼえる。それが生きることなんだなって思う」”