かなしき女王

2件の記録
- よる@woodchuck2025年3月14日読み終わったもう何度も繰り返し読んでいる。 二階堂奥歯の言う、「遠くをみている歌」はまさにこの小品だと思う。 「身を切るような異質さに震えながら、表面温度を下げた私の皮膚が金属の光を宿すようなそんな歌。」 "" 「しかし、琴手コンラは、一つの事を知ったために凡すべての事を知りつくしている、もうこの上に彼の知るべき事はない、彼は我々よりも先の世界に踏み入っている、彼を砂の上に寝かして、顔を星に向け、その素肌の胸に赤い火の燃えさしを載せよ、胸が破れて死ぬように」 こうして琴手コンラは静かに死んだ、月にかがやく砂の上に倒れて、素肌のむねに赤い燃えさしと燃える火の焼け木をのせて、彼の上に光っていた星のようにしろく静かな顔をして。 ""