青空文庫で。 これは…BLでありキャラ萌えだと思います！SNSではあまりそう言っている人はいないけれども。 滝太郎の、言葉遣いがはすっぱというか品のない感じ、なのに形（なり）は美少年で心はヒーローで、でも幼少期は猫を殺して遊んでて今でも盗品蔵を持つ最悪人間なの、最後の猫の件はサイテーだけど、それはそうとして魅力的。お兼姉さんとの関係性もいい。かわいい。最初に出てきた植物オタクの令嬢さんもキャラが強くて素敵です。

いわゆる男性向けラノベという先入観のもとで読み始めたものの、実際は「メイドインアビス」でした。「アインクラッド」という仮想の世界、その中に閉じ込められた主人公たちは「ゲームクリア」のためにアインクラッドの「頂上」を目指す。この世界は層が積み重なり縦方向に伸びていて、層ごとに特有の街並み、風景、生活があるーーという、ダンジョン踏破ものです。 こういう形式において一番重要なのはガジェット（小道具）やその世界特有の体系、雰囲気、生活をいかに描くか。この物語ではそれらをうまく描写できており、私たちもその世界に行ってみたいと思えるようなものになっていました。 アニメ版もありますが絶対にテキストのほうがいいです。

タイトルから幻想文学を想像していたけどまったく違った。 ストーカーの話です笑 風景のスケッチは素敵だなあと思ったり。あるいは「また恋をしたいたッて、美しい鳥を誘う羽翼（はね）をもう持っておられない」という一文はロマンチックでいいなあと思いつつ、も、期待はずれに思っていたらラストでちょっとびっくりしてしまった。 作者はおそらくニヒルというのか、皮肉っぽい意地悪さを持っていると思う。