学校の未来はここから始まる

学校の未来はここから始まる
学校の未来はここから始まる
合田哲雄
工藤勇一
木村泰子
教育開発研究所
2021年3月19日
1件の記録
  • 木村泰子、工藤勇一、合田哲雄。この3人の座談会をまとめた本と聞いてピンと来る人は、日頃から日本の教育のあり方について考えている、もしくは教育に関するトピックにアンテナを張っている人だろう。 工藤勇一氏がコロナ禍を経て何を考えているのかを知りたいと思い、本書を手に取った。基本的に彼のスタンスは当初から変わっておらず、麹町中から横浜創英に移動してからも「国・文科省・教育委員会・学校・教師・生徒・保護者」というステークホルダーが、どうやって上位概念で手を取り合えるか考えろ、という主張そのものにブレはない。 そこに大阪市立大空小学校の初代校長を務めた木村氏と、文科省官僚の合田氏が日本の教育のこれまでとこれからについて意見をぶつけ合う。基本的にこの3人の間での「上位概念」はほぼ一致しているので、対立ではなく意見がブラッシュアップされていく様子を読んでいる感覚である。 具体的な事例に富んでおり、コロナ禍での学校、個別最適な学びの推進、多様性に向けての教育、これからの時代の教員、日本の教育と社会の問題点などを踏まえた上で、未来の制度とシステムに話は進む。 流石だなと思ったのは合田氏の議論の進め方である。官僚だけあって西洋から輸入した近代的な教育がどのようなプロセスを経て今に至っているのか、歴史を単なる歴史にするのではなく、これがあって今こうなっているという説明が非常にシームレスで洗練されている。学習指導要領を作っている人間の頭の中を垣間見たような気がする。彼自身は授業中に座っていられない幼少期を経て、さまざまな教師との出会いをきっかけに学びに目覚め、ついには文科省の中枢に上り詰めたそうだ。 本書は2021年の刊行であり、3人はそれぞれ肩書きが現在は変わっている。願わくば2030年から始まる次期学習指導要領の改訂に向けて、再び集まって座談会を行ってほしいと思った。 ※あと合田さん、文化庁時代は統一教会問題で陣頭指揮取ってたの知らなかった…
    学校の未来はここから始まる
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved