夏に凍える舟

2件の記録
Magmel@magmel2026年8月1日読み終わったスウェーデンの作家による良質で重厚なミステリ四部作の最終巻。 四季をテーマに、秋、冬、春と閑散期が描かれてきたが、大トリとして舞台であるエーランド島がリゾート地として最盛期を迎える夏をテーマに持ってくるチョイスも良い。ようやく四部作をすべて読破したが4冊とも面白かった。 テオリンの筆致はすごく響くものがある。一作目の解説で著者が日本の芸術や文化にも影響を受けていると書かれていたが、わかる気がする。伝承や目に見えないものを扱うのが本当に上手い。それから社会派的なまなざしも心地がよかった。 最終巻らしいファンサービスもあって嬉しかった。四部作では共通してイェルロフという探偵役のお爺さんがおり、登場人物が彼を中心としてシリーズのあちこちで顔を出すのも特徴だが、一作目の登場人物で私はこの人が好きだと思ったキャラクターがおそらく再登場は望めないであろう役柄だったのだ。その人物が今作で思いがけず主人公のイェルロフを訪ねてきたシーンがあり、感慨深いものがあった。 とはいえ四部作のどこから読んでも一冊で読み切れて面白いのですごい。