食べる私

3件の記録
高瀬@bakush_no2026年3月25日読み終わったこの本に出会えてよかった、そう思える本の一つに仲間入りした。 食に関する書籍は数多くあれど、平松さんが「対話」した29人の食にまつわるエピソードは、どこかそれらと異なっている。 それは平松さんがあらかじめ相手の生い立ちや考えを丹念に紐解き、そして向かい合い、聴く、という姿勢を貫くことで共鳴ともいえる関係性を築いていくからなのではないだろうか。そこが本書の際立ったところなのではないかと思う。高橋尚子さんの生まれながらのアスリートたる性格、ヤンさんの分断された家族の悲しみ、伊藤さんの母への挑戦、など食から伸びるひとりひとりの人生から紡がれる言葉の数々はどれもずしりと来る。その中でも宇野さんのエピソードは豪奢な館の老人という趣からして一遍の小説のような味わい。濃密な体験をさせてもらった。

