誘惑者 (講談社文芸文庫 たL 1)

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波@namireads2026年3月5日ふと思い出した昏れはじめた火山に登っていく二人の若い女。夜更けに下山してきたのは一人きりだった。 なぜ自殺するのか、なぜ見届けたのか。人間が不可知なもの、決して届かないものに惹かれてしまう生き物であるならば、その対象として神は究極だろう。一方で、同行者の語りに意識を添わせて行くと、確かに紛れもなく死に辿り着く。どうしようもなく死に魅せられる事と神を求める心とは、同じ道のりの先にある異なる結果なのかもしれない。 そこを分かつものとは。そして、「誘惑者」とは誰のことなのか──