
波
@namireads
- 2025年12月25日
目をあけてごらん、離陸するから大崎清夏心に残る一冊"あなたの言葉よ、どうか無事で──。" いつも遅れてくるわたしの言葉が、勢いある誰かの言葉に侵されることのないように。 間に合わなくても誰にも顧みられなくても、自分のなかに生まれてくる言葉や思いを信じていられますように。 インスタに書いたあと恥ずかしくなって削除した。こっちにはなぜか堂々と書ける。二月さんがくれたコメントもうれしくて、さらに特別な本になった。 - 2025年12月25日
- 2025年12月24日
- 2025年12月24日
ストーナージョン・ウィリアムズ,東江一紀また読みたい心に残る一冊"これはただ、ひとりの男が大学に進んで教師になる物語にすぎない。しかし、これほど魅力にあふれた作品は誰も読んだことがないだろう。" この帯文以上に言いたいことは何もないような気持ちになる。すべて誰かの人生は面白い。大いなる謎に満ちている。ということは、きっと私の人生も面白いのだろう。ストーナーは自分の人生がこれほど面白いと知っていただろうか。 今年ももうすぐ終わり。年々一年が過ぎるのが早くなって、こういうことをあと何度か繰り返せばすべてが終わる。そしてその時この小説の最後の場面を思い出すならばこんな心強いことはない。 - 2025年12月24日
不滅ミラン・クンデラ,菅野昭正また読みたい私の熱源クンデラ。ここでいう不滅とはどちらかというとネガティブな意味。誰もが知る偉人たちとその不滅性。物語は要約され、交響曲はCMの為の何小節かに省略される。現代の不滅を彼らは望んだだろうか?神の目は写真機に変わりいたるところにレンズがある。人生は絶対参加の乱痴気パーティーに変わってしまい、この世への執着は古今を絶している。そして、死後も他人の記憶に残り続けたいと欲する人々の自我の重さ、あらゆる暴力、情報という騒音。そのすべてに耐えられない主人公アニェス。どこか少女性を醸す、静かな強さをたたえたこの主人公と、思索的な空気を纏う父親。二人の関係性がよかった。喧騒を避け沈黙する父と、深いところで彼を理解している娘。永久不変の美しさは言葉少なく、ひそやかなるもののなかにあるのだと思わせる。 いつか世界の醜さに耐えられない日が来たなら、一本の勿忘草を目の前にかざす。見ることを拒否したアニェスの"仕草"に、可憐な青い花のイメージが重なって揺れる。 自分のなかに何となく散らばってる、まだ疑問にすらなっていないもの。形の無い問いに対する答えのようでもあり、同時に、いちばん大切なものはなんですか?それは本当にそうですか?という見えない誰かからの問いに、自信がなくなって立ち止まる。私が読書にいちばん求めてるものが詰まってました。「存在の耐えられない軽さ」を読んだときにも感じたこと。物語をまもりたいなら要約などできないように書かなければならないという目論見は成功してるって思うし、こんなに考えることを促しながらもユーモアを忘れないクンデラの文章は読んでて楽しい。 不滅を巡る闘争や愛の永遠性など複数のテーマのなか、とりわけ自我について書かれた内容がおもしろかった。 自分のイメージ。世間に向けて、こう見られたいというイメージを発信することへの欲望は抗いがたい。現代人が恐れるのは自分に対する世間の誤解ではなく、むしろ正解のほうかもしれない。 どんな些細なことでも自分の趣味嗜好または思考を主張あるいは表現するそのとき、何を相手取っているのか。自我という途方もない重荷。自我それ自体は内的な事柄だけどその発露は常に外的要因による。人々の自我の重さに耐えられないアニェスが終盤にたどり着いた思想は真理だと思う。日に日に私の中で比重を増している。(でも書く🙈) 望む望まざるに関係なく、間違いなく不滅となる運命であるクンデラ。100年あるいは200年後、たとえ彼の「不滅」が使い捨てのように扱われたとしても、この物語だけは手の出しようがない。「決して要約などできないように書く」。クンデラの不敵な笑いが目に浮かぶよう。 - 2025年12月23日
キャロルパトリシア・ハイスミス,Patricia Highsmith,柿沼瑛子気になる映画を観て。ラストシーンのケイト・ブランシェットの表情がおそろしく素晴らしくて原作ではどんなふうに書かれてるのか知りたい - 2025年12月23日
存在の耐えられない軽さミラン・クンデラ,千野栄一心に残る一冊まだまだ読む*過去の読書記録からの抜粋 2023/05/22追記 人間存在の軽さ重さという哲学的な命題があって、その論考としての物語がある。またはその逆。どちらでもいい。クンデラがこの小説のなかで伝えようとした事の意味が分かってきた気がして、クンデラ自身の経歴とか歴史的背景とか調べていくと知らなかった事がたくさんあって、小説を読んで理解できなかった部分がいろいろ腑に落ちてまた涙が出てくる。祖国を奪われるとは本当はどういうことなのか。日本が好きだけど、日本人であることにコンプレックスがあって、物質的な本物志向は高いけど精神面でイミテーションというか(キッチュ思考のメタ構造)見せかけっぽいことなんかがもう世界にはバレてしまっていて読んでるとそういうようなこと、幸せについて考える。 2023/05/24追記 サビナに落ちてきた「存在の耐えられない軽さ」にシンパシーしかなくて、この約5ページを暗記するくらい読んだ。何度も何度も目に入れて心に全部しまい込みました。 誰に対する責任もない人生。この開放感という名の存在の軽さ。生きることは逃げること。裏切るものがもう何も残っていない、その時になってようやく気付くことがある。裏切った。本当にそうだったのか?捨てたと思ってきたもののすべてに本当の意味で「捨てられた」のは、実は自分の方ではなかったか。 まとわりつくこの「耐えられない軽さ」。この感覚を孤独と呼ぶこともできますか。でもそれは影のように当たり前に寄り添い過ぎていてもう分からない。サビナのこと、とても近くに感じる。 2023/05/25追記 トマーシュとテレザの愛は悲劇的ではあっても悲劇ではない。人はいろいろ考えてしまって自分から不幸になりに行きがちだけど、二人がこの場所にたどり着いたことをよかったと思える。サビナに送られたシモンの手紙。その中にいる二人の幸せなイメージと愛おしいラストシーン。読み終えた本を私はいつまでも抱きしめる。 いろんな気持ちが渦巻いたのだなぁ、2年半前のわたしよ。今もずっと、特別な一冊。 - 2025年12月23日
たった一人の反乱三浦雅士,丸谷才一買った - 2025年12月22日
- 2025年12月22日
あの図書館の彼女たちジャネット・スケスリン・チャールズ,高山祥子,髙山祥子読みたい - 2025年12月22日
風に吹きはらわれてしまわないように (ちくま文庫ふ-42-2)リチャード・ブローティガン,松本淳読み終わったテニスシューズのところが好きというか切なくて、この人を読むといつもこういう気にさせられる。何十年も昔の、こどもの頃のことをついこの前みたいに話す。今どこかで幸せならいいなと思うのにもうどこにもいない。 池のほとりに家具を持ち込む二人はすごくいいな。外でいつものソファに寝そべって日が暮れていくなんて。絶対やらないけどちょっと羨ましいかも。 - 2025年12月22日
抱擁、あるいはライスには塩を 上江國香織かつて読んだ風変わりな家族三世代の物語。その人生においては誰もが主役で、この世界に脇役は一人もいないのだったと当たり前の事を思い出す。 読み終えた目で見渡す、行き交う人たち。私はあなたを知らないけれどあなたの物語をとても知りたいと思っています。
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