ダウナーお姉さんは遊びたい(1)

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- イイヤン@h_d_d2025年3月16日読み終わったコロコロとかボンボンとかいわゆる「ガキっぽい」マンガを読まない子供で、なのであんまりホビーも触らず生きてきた。うんこチンコの下ネタを喜ぶのも下品だと思ってたし。でも大人になって、そういう潔癖な人間より駄なものも楽しめるほうがクールな僕でヤングアメリカンだよなって思うようになって、今ではすぐにうんこの話をするし、オモチャも無限に買っちゃうし、SNSにはわけのわからないダジャレしか投稿してない。スカしてもいない、クールでもホットでもない、しょうもない人間になってしまった実感がある。そもそも「駄なものもいいよね」という態度が駄を愛好する人々に失礼というか、そんな人間に福音は訪れない。 ダウナーお姉さんはコロコロ的カルチャーに本気で、遊びを大いに楽しみ、失敗することも気にしない。大人になってから「オモチャとかもいいよね」みたいに身につけた付け焼き刃のガキスピリッツではなく、子供の頃から全力で遊びに向き合ってきた人間の熱量を感じさせる。僕はカードゲームとか面白そうと思っても「ルールとか覚えるのめんどそう」と二の足を踏んでしまうのだけど、ダウナーお姉さんはそのハードルをひょいと飛び越えるどころか、ハードルがあるとすら思っていない。がんがんぶつかり、足にハードルを引っかけてゴールまでやってくるけど、そんな不恰好も気にしない。ハードルを気にして競争しないやつより、例え途中でひっかかってもゴールに向かって走る人間の勝ちなのだ。 主人公の少年は中学校に上がったばかりで、学校であんまりうまく友達が作れず、ダウナーお姉さんの奇行にもびっくりしてばかり。でもなんだかそんなお姉さんを見て胸がドキドキしている。これは恋のドキドキに見せかけて、少年の中の「遊び心」の芽生えも現しているのではなかろうか。 なんか冷めてて子供らしくない男の子が、ガキスピリッツの伝道者たるダウナーお姉さんに出会い、本気の生き方を学んでいく話なのかもしれない。僕のように大人になってから中途半端に遊びに目覚めるのではなく、子供のうちにお姉さんとたっぷり遊び、少年には熱い大人になってもらいたい。