新潮2023年12月号

2件の記録
- 村崎@mrskntk2023年11月16日「東京都同情塔」(九段理江)ホモ・ミゼラビリス(同情される者=犯罪者)を収容するための施設である東京都同情塔(公称はシンパシータワートーキョー)を建築するマキナの頭の中。多くの人が考えるだろう「配慮をどこまでして発言すべきか?」「この言葉は差別にならないか?」などの指摘をする校閲者が常に頭の中にあり配慮した結果なんとなくふんわりとするカタカナを使いまくるのが切実でよかった。東京都同情塔の住み心地はとても快適で、犯罪者はむしるいい思いをしている、その生活は税金で成り立っている。そこに勢いよくインタビュアーから飛び出るFワードだけどもちろん記載NG、今後どれだけの言葉が配慮によって消滅していくのかの「未来」を見た気がした。AIに文章を作ってもらったり仕事を奪われる未来もあるけれど人間の言葉を求めたり思考を放棄しないラストもよかった