
村崎
@mrskntk
- 2025年10月13日読み終わった短編集であり、それぞれ違う人物が登場するのですが、タイトル通りの「凍土二人行」、このタイトル本当にいいな~~~~。 凍土・二人・行、とうど、ににん、こう……何度でも繰り返したくなりますね。凍土という舞台もよい、二人行というありかたもよい。そこにあたたかい黒スープ、なんとなく肌寒くなってきたこの季節にぴったりです。 しかし舞台はとてもとても寒い星。寒い星です、地球ではないどこかの星です。 とってもとってもいとおしいSF短編集なんです!!! 家の声が聞こえる=それを家主に伝えるという仕事をするシガと雇い主と別れたクローンのナガノの二人行。「家読み」という仕事がめっちゃよい。たしかに家と話せたら、同居人の知らない部分も教えてもらえることになる…ていうか家に筒抜けの生活をしているのだ私たちって! ほかにも私が好きな仕事があって、それは「石ならべ屋」……。シガが昔一緒に旅をしていた人のなかにそんな職業の人がいたらしい。 石ならべ屋ってなに?並べるだけ?売ったら、たぶん石売り屋だから、石を並べることによりなにかを占ったり、見出したりするのかもしれない。なりたい、石ならべ屋……。 クローンであるナガノは自己肯定感が低いというか、自分を優先できない。人間(オリジナル)がつねに優先されてしまうので、シガがナガノにやさしくしたりすると戸惑う。 その戸惑い方が、いじらしくもせつなく、そしてじょじょにかわいくなっていくのである……。 シガもシガでちょっと鈍感なところがあるので、(もっと!はっきり!言いなさい!ナガノを安心させてやりなさい!)とこちらとしては思うんだけれども、まあそこがふたりの空気感というかね、とても寒い星のなか、ふたりっきりで黒スープを飲んでくれれば、その時間をたいせつに過ごしてくれれば、オーケーです(サムズアップ)。 仕事ができなきゃ意味がないと自分を追い込むナガノに対して、仕事ができなくなったとしても「そのときはただ、私といればいいじゃないか」と気取らず口にするシガ。二人行すぎる。 ただいるだけでいいって思ってくれる相手がいることの、なんて心強いことだろう……。ナガノの不安がすべてなくなりますように!!!!!! 「徐華のわかれ」も好きです。 寒い冥の季節に山からおりてくるキンという冬の生きものから皮膚を削り取る作業をしなければならないのですが、リョクはとてもやさしいのでキンがかわいそうになりそれができない。 体の一部を取られるキンが苦しいのかつらいのか、なにも思っていないのかはわからないけど、リョクはどんどんキンに惹かれていくのです。 けれどキンは冥の生きものなので、除華が近づくにつれ小さくなっていく。冥が終わり徐華になるということは、少しずつあたたかくなっている頃ですね。 「除華のわかれ」…………!!!!!!!!!!(うっとりしています) 泉谷瞬さんの解説もとても素晴らしかったです!!!!
- 2025年10月8日
- 2025年10月5日死んだ木村を上演金子玲介読み終わった
- 2025年10月5日
- 2025年10月5日
- 2025年10月2日この世にたやすい仕事はない津村記久子読み終わったおかきの袋のしごとがとってもおもしろい! 思わずにやりとするおかしみユーモアが、ありそう〜というリアリティと不可思議さで書かれている、おかきの袋のしごと、ずっとやってほしかった…
- 2025年9月30日
- 2025年9月29日
- 2025年9月26日宝石商リチャード氏の謎鑑定 再開のインコンパラブル辻村七子,雪広うたこ読み終わった最新刊まで読みました!!!!! 全体を通してとても誠実、そしてとにかく知識の幅が深い……………………物語への落とし込み方がとてもすごい……… 「人種、宗教、性的嗜好、国籍、その他あらゆるものに基づく偏見を持たず、差別的発言をしない」本当にこのエトランジェの理念が全編を通して真摯に描かれていて、とても信頼できる 自分では当たり前だと思っていることも、もしかしたら無自覚にだれかを傷つけてしまうかもしれなくて、一度立ち止まって相手がどう思うかを考えるというのを、本当に丁寧に教えてくれる物語だと思いました。 私は第3部がいちばん好きで、正義がすごく大人になっていて読んでいると胸がいっぱいに…でもそれは彼も長い間たくさんいろんなことを見聞きして考え抜いてきて、そして今もひとりひとりに向き合おうとしているからこそのものであることも伝わってき、ときどきはあなたもだれかに甘えるのだよ……となんか親のような目線で見守っておる… というわけで準備OKです、いつでも最終巻きてください!! あとわたしはヴィンスさんがとっても好きです、これが……「メロい」…………!!!?????
- 2025年9月19日
- 2025年9月18日植物少女朝比奈秋読み終わった文庫で再読。やっぱりとても好きな小説だ。 呼吸をしているということをこんなに伸びやかに、ただの綺麗事にせず、けれどうつくしく描写している小説ほかにない………美化することとうつくしいと思うことは、別なんだ… 朝比奈秋さんの作品は生についてが全体に濃く漂うけど、植物少女は、生きているということを上からでも下からでもなく、正面から教えてくれる小説だと思う。で、生きているからなにかしろということもなく、ただ生きているという事実、人間同士の境目もなく、あるいは人間とほかの生物の境目もなく…生きているものが生きている、これだけのことをこんなに広く広く表現できるんだ……
- 2025年9月15日
- 2025年9月12日ネバーランドの向こう側佐原ひかり読み終わった
- 2025年9月10日
- 2025年9月5日ヒカリ文集松浦理英子読み終わった
- 2025年9月1日すばらしき新式食 SFごはんアンソロジーカシワイ,人間六度,新井素子,椹野道流,深緑野分,竹岡葉月,辻村七子,青木祐子,須賀しのぶ読み終わった
- 2025年8月20日
- 2025年8月19日宝石商リチャード氏の謎鑑定 輝きのかけら辻村七子,雪広うたこ読み終わった
- 2025年8月13日太宰治賞2025筑摩書房編集部読み終わった太宰治賞、好きな賞のひとつ。 決して派手ではない人々の生活を、奥行きを持って書かれている作品が多いと思う。 受賞作「フェイスウォッシュ・ネクロマンシー」(前田知子) 洗顔料と息子の唸り声が条件になって亡くなった祖母が幽霊となってあらわれる。話すこともなくそこにいる祖母や、どこか受け身でいる生活のもろもろ。 スンドゥブうどんの誤発注とか洗顔料をつかった思いもよらない降霊術、切実さとおかしみが大げさでない塩梅でずっと描かれていて不思議な映画を観てるみたいだった。読み終わってからタイトル見るとじわじわ〜と沁みてよい。フェイスウォッシュ・ネクロマンシー、本当にこのとおりのタイトルでふふふってなる。 候補作「地下世界の俄雨」(蒼生行) 好きだった〜〜〜〜〜キャバクラの送りの仕事をするクコ、推しキャバ嬢のモモカ。絶妙なバランスで成り立っていればいるほど、いま自分が置かれている状況や立場が揺らぐことは怖いし不安、その気持ちすごくわかる〜〜〜友だちになりたいという切実な気持ちがすごく強く伝わってきて終盤はかなり胸がぐっときていた。 蒼生行さん、昨年も本賞の最終候補に残っていて、そのときの「フォルムレス・ヒール」もすごく好きだったのですが、そこに生きている人たちのそのときの行動をそのまま描いているかんじが、とても好きです
- 2025年8月11日一次元の挿し木松下龍之介読み終わった
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