ミステリーな北海道

3件の記録
にょろぞう@3mmer_4L3562026年3月18日買った読み終わったタイトルに惹かれて即購入。タイトルの通り北海道×ミステリーというテーマ以外は自由自在なアンソロジーだった。 普段名前は聞いたことがあるもののなかなか手に取らない作家の方のお話が読めて良かった。 1話目 一番好きだった。多分これが一話目じゃなかったら一旦プロジェクトヘイルメアリー読んでた。 とある医学生が数奇な出会い方をした葡萄に思いを馳せる話。 話や空気感から普通の北海道のイメージとは違うものの常にそこにある、生命豊かながらもどこか寂しい空気みたいなものが感じられてとても好きだった。結末もそれ以上でもそれ以下でもなく、縁があるならまた来世という感じで美しい物語を読ませていただいた。 2話目 北海道といえばのど真ん中を題材にしていた。アンソロジーの中で一番今の肌感覚のまま読める話だった気がする。ベースにセンセーショナルな事件がありながらも、その上で様々な虚像が像を作る様はまさに雪まつりの賑やかさと儚さが表れていて楽しかった。 3話目 ちょうど最近触れ始めた歴史小説がここで登場。こんな歴史に名を残しそうな天才犯罪者が北海道にいたなんて信じられないが、出てくる地名がどれも馴染み深すぎてほな北海道か……となった。 ひどく危うげな人間だなと思った。天才犯罪者なのに普段は臆病も臆病で、かと思ったら突然キレだす。そんな彼だからこそ、最後そういう警官と会って「もういいかな」って思ったのかなぁ、なんて考えた。 4話目 地名以外に北海道を指す名詞がないにも関わらず、現れる情景のどれもが私の知る北海道で、多分私はこういう話を期待してこの本を手に取ったんだと思った。 が、この話をちゃんと読むための必須知識を私がまるでもっていなかったせいで、どこか上滑りしてしまったのが残念だった。あと、これはバイク界隈では当たり前のことなのかもしれないのだが、ツーリング中に見知らぬバイクにつけられるの普通に怖くないか?と思った。 5話目 本当に短いお話で、だからこそ想像の余地が残されまくりでとても困惑している。ただこれ読者以上に主人公がえらい混乱してるだろうなと同情を禁じ得ない。 6話目 ミステリーながらも(多分?)唯一の捜査一課登場話。この短いページ数でよくこんなボリューミーな話を収められるなと舌を巻いた。初めの謎があり、その謎を解くためのヒントになる謎があり、しかも伏線まである。読んでる途中で何度「あーそれ言ってたねぇ」と頭を抱えたことか。本当に面白かった。この方の別作品も読みたいところ。 あと個人的に彼らには親しみを抱いている節があるので、そんな彼らが真相に至る糸口となっているのが嬉しかった。

