オンディーヌ

オンディーヌ
オンディーヌ
ジャン・ジロドゥー
二木麻里
光文社
2008年3月20日
1件の記録
  • うゆ
    うゆ
    @otameshi_830
    2026年3月20日
    フーケの『ウンディーネ』を踏襲した、ジロドゥの戯曲。話の筋は同じなのにドイツからフランスへ、19世紀から20世紀へと移るだけでこんなに変わるかというくらい空気感も作者の描きたいことも違うのがとても面白かった。やはり両方読んで正解だった。 ジロドゥの方は軽やかで諧謔的でちょっと理屈っぽい。嗚呼いかにもフランス! オンディーヌと王妃のやりとりやラストの裁判に提示される人間観と哲学。 そしてこの別れは切ない。…切ない!! 好きな台詞↓ “魂がなくて問題になるのは人間だけなのよ。人間ではないどんな生き物にとっても、それは問題にならないの。だって世界の大きな魂は、馬たちの鼻から吐き出されて、魚たちのエラから吸い込まれている。でも人間はひとりずつ、めいめいの魂をほしがった。みんなの大きな魂を、ほんとうに愚かに、こまぎれにしてしまった。人間たちには、みんなの魂というものがないのよ。魂のこんな小さな分け前が並んでいるだけで、そこからは貧相な花や貧相な野菜がはえてくるだけ。あなたが持つにふさわしいような、人間のすべてがこもった魂、すべての季節がそこにあって、まるごとの愛がある、そういう魂は、ほんとうに稀なものなの。この宇宙のなかで、この時代のなかで、たまたまひとつだけあった。でもほんとうに残念、それはつかまってしまった。” “人間が真実に耐えられないなら、嘘でとおします!” “真実でありたくても、嘘でいたくても、ねえお嬢さん、あなたでは誰もだませない。結局、すべての人間がいちばん嫌うものをつきつけてしまう” “誠実ということですか?” “いいえ、透明ということ。一点の曇りもないというのは人間にとって恐怖なのよ。それこそ最悪の秘密にしか見えない。” “城のなかをふらふらさまよっている。ひとりごとをつぶやいている。言葉は支離滅裂だ。人間が自分自身から逃げだすときは、そういうやりかたになる。それはかれらが、真実のものや純粋なもの、かけがえのないものにつきあたったときだ。そうなると、あいつは気が狂ったといわれるようになる。つまり、いきなり論理的になる。ものに流されなくなる。草や木や水や神の理性を知る。つまり気が狂ったわけだ”
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