ねじまき少女(上)

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- ほくゆ@hk_ou_yu2025年4月15日読み終わったお、面白かった……読めてよかった。 第六ポンプ収録の短編の続き。食糧事情とエネルギー事情が激変した世界で、目覚ましい成功を収めているタイ・バンコク。 この栄光の街で、植物の種子、支配権、富、名誉、そして自由を巡る人々が地獄を生き抜く物語が描かれる。 それぞれの人間の信仰・文化が丁寧に描かれていて、実在感がある。例えば、日本ではねじまき(遺伝子改造バイオロイド)への偏見がない、しかし少子化をカバーする働き手として酷使されている。中国人は家系と先祖を大切にしている。タイ人たちは業(カルマ)の価値観を持っている、など。 個人的にはやはり日本が気になると言うか、ねじまきに偏見がないどころか、『腕が十本あって、あとはごはんを乗せる口しかない従業員』が普通に働いていたりするらしいので、気にならざるをえない。どんな国なんだろう日本って。 下巻に続きます。