新しい封建制がやってくる

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- はやしさん@seiichi08842026年2月6日読み終わったヨーロッパ中世に関する歴史的アナロジー論の先駆的著作。〈農奴〉そっくりの下層階級と〈貴族〉そっくりの超富裕層の相克が先進各国の共通点だとし、その行く末を心の底から案じている……似たテーマの本は多いが、本書は簡便にしてリーダブル、各章もすっきりしている。それでいて裏付けも豊富で、割愛されている膨大な注は版元サイトからDL可能。終章では、経済成長が止まった高齢社会ニッポンが、精神世界やQoLに関心を向けられる高所得国のモデル「アジアにおけるスイス」となりうると指摘されている。本当かよ、と注をたどったところ、ピリング『日本』(ハヤカワ文庫)とともに、かつてのジャパンバッシャーの雄、ウォルフレンの1989年の著作が引かれていて、この程度の裏付けかぁとは思った笑。 バルファキス『テクノ封建制』(集英社)、リンド『新しい階級闘争』(東洋経済新報社)などは本書の姉妹編ともいえる。国際政治学では、田中明彦の先駆的著作『新しい「中世」』(日経文庫)が似たような発想である。昨年刊行された田所昌幸『世界秩序』(中公新書)では、将来を占うシナリオが示される部分でコトキンの本に言及されている
