飛上りもん

飛上りもん
飛上りもん
高田在子
中央公論新社
2026年1月8日
1件の記録
  • nanari
    nanari
    @bluebook_mark
    2026年4月11日
    藩主からの命とはいえ、齢六十を超えてから故郷の紀州を離れて遠路遥々関東へと移り住み治水を行わなければならなくなった井澤弥惣兵衛の人生自体には不憫だなあ(産まれたばかりの実子を預けて向かうので)と個人的に思う部分もありはするのですが、所謂置かれた場所で咲きなさいを地でいくように、その土地々々の人達や配下人足と時にぶつかりながらも普請や新田開発に取り組む実直な彼の人間性は読んでいて気持ちが良かったですし好感が持てました。ただ一方で、そのような人物や治水という大きな事業を小説の中心に据えながら物語が普請そのものより、それを成す前段階の人間関係周りに終始してしまっているので、自然に抗う人間が持つダイナミズムはかなりの部分で失われており、それに伴ってフィクションの推進力があまり出なかったのは、400ページ越えの作品としてはかなり痛かったように感じます。
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