囚人捜査官

囚人捜査官
囚人捜査官
スチュアート・ウッズ
KADOKAWA
2000年7月1日
2件の記録
  • DN/HP
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    @DN_HP
    2026年4月13日
    小説に対する評価とか感想に「映画のよう」みたいな表現があって、わたしもたまに使ったりもするのだけど、一般的にいうその感じって多分文章を読んで書かれている情景が鮮やかに映像として思い浮かぶことだったり、カットを割るみたいに場面や視点が頻繁に切り変わってそこにクリフハンガーがあったりする感じ、なんだと思う。 わたしもそんな感じを表現するときに使うこともあるけれど——映像が思い浮かぶ文章よりも、映像が思い浮かぶ隙がないほどの文章自体の美しさに圧倒されるような文章が好きなのだけど——、もっと具体的にジャンルや内容、それを観ているシュチュエーションを思い浮かべながら使っていることもあって。 ハリウッド映画、というかアメリカ産の映画でサスペンスとかクライムムービーとか紹介されるやつ。不可抗力や陥れられたりで転げ落ちてしまった今の最悪な状況、境遇を変えるため、事件の渦中に入っていく主人公。そこにはもちろん陰謀と裏切りがあって、利用しようとする奴らを逆に利用するために策略を巡らしピンチを切り抜けていく頭脳戦が続き、途中に都合の良い恋愛やセックスがあって、最後には結局銃器や火薬の力とアクションで解決、ラストシーンは取り戻したり新たに手に入れたものたちと新しい人生へ優雅に再出発だ、みたいな内容で。とか考えてみるとこの本の裏表紙の「全米屈指の職人作家が放つ、ド級のハード・サスペンス」って紹介文も作家を監督に変えれば、だいぶそんな(B級感ある)映画の紹介っぽい。 深夜に、サブスクから寝落ち用に適当に選んだり、チャンネルを変えたテレビで偶然流れていて適当に見始めたり。なんとなくどこかで観たことのあるストーリーやキャラクタが想像出来るラストシーンに向かっていく、という安心感のなかに適度な緊張感と驚きにベタな感動を覚え、文化的な細部(超重要)に注目しながら、結局は物語、映画自体にのめり込んで最後まで観てしまうような感じのシュチュエーション。 この小説もそんな感じをギュッとまとめて「映画のよう」だった、と言いたい小説だった。 そんな「映画のよう」な小説はそれを読んでいる時間をただ楽しんで、最後には「ああ、面白かった」と余韻のため息と一緒に内容や感動も吐き出してスッキリして読み終わりたい。その後にぐっすり眠りたい。 とはいえ、なにかの表現に触れるということは、どうしても何かしらの影響は受けるものだし、残る、残したいものもある(この小説にも何枚か付箋を立てたし)。それでもなにかを得ることや後に残るものを期待したりせずに、それこそ適当に読み始めて純粋にその読んでいる時間を楽しむような読書が元々好きだったんだった、とこの「映画のような」小説を深夜に一気読みして改めて思ったのだった。昨日もぐっすり眠れた。 とはいえ、読み終わった翌日の日中までも結果的に残っていたものは、なんにせよ大切にしたいとも思っているのだけど。こんな文章もツラツラと書いているわけだし。 さて、この本はアートワークに惹かれて買ったのだけど——アートワークに惹かれて買った、いわゆるジャケ買いした本を読む、というのも「適当な」シュチュエーションだ——、こういうアメコミぽいアートワーク好きなんだよな。同じ角川文庫の寺田克也さんのアートワークを使ったランズデールとも共通したものがある、と考えると、出版年も近いしきっとこれは同じ編集者の仕事に違いない、とか想像するのも楽しい。 このカバーアートを描いている「ビデオ・リチャード」という方、全然情報が見つからないけど、他の装丁仕事とかないのかな、あったらその本もアートワーク目当に買って、いったん積んでから深夜に「適当」なシュチュエーションで読み始めて、その時間をまた楽しみたい。
    囚人捜査官
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    2026年4月11日
    3冊¥200
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