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READING IS MY THERAPY
- 2025年7月8日新潮 2025年 8月号新潮編集部図書館図書館に昨年末に読んで素晴らしいと思った、『新潮』2025年1月号に掲載されていた滝口悠生さんの『歯ごたえと喉ごし』を読み直しにきたら、ちょうど最新号にも滝口さんの短編が掲載されていた。『歯ごたえと喉ごし』と連なる、対となるような『テレポートの軌道』という一編。たしかにあった、あるいはなかったかもしれない、自らの手の中にある記憶、人生の軌道の話。あと鉄道の話。だと思った。文体もフロウも物語も素晴らしかった。やっぱり大好きだと思った。嬉しい気持ちになった。 ふたつの短編を読み終わる頃には汗が冷え切っていて、少し寒い。外に出ると、まだまだ強烈なはずの暑さが、少しの間心地の良い暖かさに感じられた。この感覚もなんかいいなと思った。
- 2025年7月8日
- 2025年7月8日怪談稼業 侵蝕松村進吉怪異を聞き取る、体験する、書く、それらに向き合う「私」の話。実話怪談というのは実は全て「こんな話を聞いた私(=作家)」の話でもある、と思っている。それでもここまで「私」の話として書かれているものは珍しい。私小説といっても良い書き方。自分にも取材対象にも怪異にも真摯に向き合い書かれた幾つかの話を経て、改めて覚悟と回復にも至る、セルフケアの過程とも読める一冊。予想外の感動をしていた。チープなカセット・プレイヤーでアンビエント・ミュージックを流しながら読んだのも良かった。
- 2025年7月7日
- 2025年7月7日デスチェアの殺人 上M・W・クレイヴン,東野さやか気になる読みたい絶対読みたい
- 2025年7月7日クライム・ウェイヴジェイムズ・エルロイ,James Ellroy,田村義進買った古本裏表紙の煽り文(永嶋さんかな)が結構あつくて、巻末のデニス・ルヘイン『ミスティック・リバー』の話から始まる柳下さんの解説もとても良くて、そもそもジャケもカッコいい、から久しぶりにエルロイが読みたくなった。とはいえ、古本屋の棚の前での一連の感慨で一旦満足してしまったから、帰ったら積まれることだろう。それも読書である。
- 2025年7月6日怪談稼業 侵蝕松村進吉読んでる心に残る一節古本「幽霊はいるかも知れないし、いないかも知れない。どっちでもいい。 ただそういった話を集めて書くだけの私にとっては、どちらであっても違いはない。そして、あえて云うならーそんな異常な話がごろごろ転がっているこの現実そのものは、確かに存在している。 体験談の中身の解釈はともかく、それを語る人自体は実在する。次から次へと、まるで誰かに派遣された刺客のように、尽きることなく私の前に立ち現れる。 もしかすると私が書かなければならないのはそういった、私を変容させようと目論むこの世界、そのものなのかもしれない。」
- 2025年7月6日怪談稼業 侵蝕松村進吉読んでる心に残る一節古本「金縛りひとつ、あるいは囁き声ひとつだけで、常識などというものは容易に崩壊する。むしろ些細な恐怖の積み重ねこそ、微小な有害物質のように当人の気づかぬうちに蓄積して、見える世界を変容させ、心を蝕む。」
- 2025年7月6日怪談のテープ起こし三津田信三メタ・フィクションというか、実話怪談を扱った小説というか、実話怪談の小説化というのがしっくりくるかもしれない。怪異に“解釈“を加えて”答”を導き出そうとすると、もうそれは実話ではなくフィクション、小説なのだ。というのも踏まえた上で怪異には“解釈”も”答“も存在しないものがある、ということを描くのは小説にも怪談にも真摯な態度のような気がする。そう感じるのは、わたしが“解釈”も”答“も求めていないし、考察なんかも放棄しているからかもしれないけれど。と言いつつ、ここに収録されている『黄雨女』という一編は、中央線沿線で目撃されている「赤い女」に近いものがあるのでは、とか考え始めているけれど……というのも含めて怖くて良かったし、三津田さん小説上手いですね、と思った。
- 2025年7月5日怪談稼業 侵蝕松村進吉買った古本
- 2025年7月5日怪談のテープ起こし三津田信三買った古本
- 2025年7月4日
- 2025年7月4日元気なぼくらの元気なおもちゃウィル・セルフ,安原和見またいつかまた読みたい何度も読みたいフィッツジェラルドの『リッツホテルより大きなダイヤモンド』をサンプリングしたウィル・セルフの『リッツ・ホテルよりでっかいクラック』という短編がある。読書の物心がつき始めた頃に友人が教えてくれたダイヤモンドの方を読んだ数日後、高円寺の古本屋でタイトルに惹かれてこの短編集を棚から抜いて、目次にそのタイトルをみつけたときの驚きと興奮はよく覚えている。読んでみたらまた最高な一編で、フィッツジェラルドを教えてくれた友人にもすぐに連絡した、という話は何度でも思い出したい話だ。とあるきっかけでこの前短編集ごと読み直したら、他の短編も最高だったのだけれど、続編にあたる『ザ・ノンス・プライズ』と併せてやはり完全に素晴らしかった。セットでわたしの心のアンソロジーに収録したい。
- 2025年7月4日冬の夢フィッツジェラルド,村上春樹読みたい読書の物心がつき始めた頃にこの短編集に収録された『リッツホテルより大きなダイヤモンド』を教えて貰った。図書館で借りた本で読んだのだけれど、他の話を全く覚えていないので多分その短編しか読んでいないんだと思う。フィッツジェラルドはそれで充分、などとも思っていたけれど、彼の作品を取り扱ったPodcastを聞いていたら他の短編も読みたくなってきた。まずは装丁もかわいい函入りタイプの方を手に入れたい。
- 2025年7月3日
- 2025年7月3日
- 2025年7月2日トピーカ・スクールベン・ラーナー,川野太郎気になる読みたい
- 2025年7月2日学校の怖い話つくね乱蔵,平山夢明,渋川紀秀,神沼三平太,葛西俊和,蛙坂須美,郷内心瞳,鷲羽大介,黒史郎,黒木あるじ『二年C組の供養』という話がベストだったかも。怪異の意味や原因はなにもわからないけれど、怪異→ちょっと良い話→ボンクラエピソードという流れで、最後に綺麗にオチがつく話。最後ちょっと笑ってもしまった。
- 2025年7月2日学校の怖い話つくね乱蔵,平山夢明,渋川紀秀,神沼三平太,葛西俊和,蛙坂須美,郷内心瞳,鷲羽大介,黒史郎,黒木あるじ「この感覚、怪談作家の方になら伝わりますか? ああ、そうですか。 意味わからないですか。 わからないですよね。 わからなくていいです」 『落武者の霊』という話の締めの文章。自分でも不確かで不可思議な体験、その解釈は、他人に本当の意味では伝えることが出来ない。そのことの悲哀や憤り、あるいはあきらめは実話を扱う怪談がフォーカスするべき一面のような気もしてくる。そのことで体験者が味わう、孤独や恐怖を思う。自分が世界から疎外されてしまったような感覚はきっととても怖い。 地の文に体験者の発言を織り交ぜなが進んでいき、最後には体験者の語りで締め括られる、というこの話の書き方はそんな怖さも書き出しているのだ、と作者の意図があったのかわからないけれど、思った。
- 2025年7月2日学校の怖い話つくね乱蔵,平山夢明,渋川紀秀,神沼三平太,葛西俊和,蛙坂須美,郷内心瞳,鷲羽大介,黒史郎,黒木あるじ『すぶつぉめ』という謎の単語。そういうのがタイトルになった怪談にはヤバいのが多い説。
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